- 国連の主要課題と日本の取り組み
国連と開発
世界では飢餓と貧困に何十億もの人々が苦しんでおり、適切な食料、飲料水、教育や保健サービスを享受できずにいます。環境破壊や汚染、HIV・エイズ、そして情報格差といった地球規模の問題も広がっています。
2000年9月、これらの問題に対応するため、国連は国連ミレニアムサミットを開催し、国連ミレニアム宣言を採択しました。この宣言に基づいて、極度の飢餓・貧困の撲滅を含む開発分野での国際協力について8つの目標からなる、ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)が策定されました。2015年までにこれらの目標を達成するために国際社会の協力が求められています。
さらに、この期限である2015年が近づきつつある中、2015年以降の新たな国際的開発目標を策定するための国際的な話し合いは既に始まっています。この一環として、2013年5月に“ポスト2015年開発目標アジェンダに関するハイレベル・パネル(High-Level Panel of Eminent Persons on the Post-2015 Development Agenda)”報告書が発出され、また2012年ブラジル、リオ+20会議で設置された、持続可能な開発(SDGs)に関するオープン・ワーキング・グループ(SDGs OWG)でも話し合いが進められています。
日本の貢献
日本は、より良い世界を作るためには国際社会の協力は不可欠で、その取組の鍵となるのがMDGsであると考えています。
日本は2015年までのMDGs達成に向けて活発に貢献をしてきており、二国間政府開発援助(ODA)を通じて、あるいは国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)等の国際機関との協力の下で実施したプロジェクトを通じて支援し、具体的な成果をあげています。
日本の開発問題に対する国際協力は、個人のニーズを考慮し、個人の幸福を追求する概念である人間の安全保障に基づいています。日本は国際的な開発協力の分野でこの人間の安全保障の考え方の促進と普及に積極的に貢献しており、人間の安全保障は外交政策の基本原則の一つとなっています。特に、このアプローチに基づいて日本は保健と教育の分野で着実に貢献を行っています。
2013年6月に、日本は多くの潜在性を持つアフリカの開発を促進するため、第五回アフリカ開発会議(TICAD V)を開催しました。
さらに日本は、SDGsOWGに積極的に参加する事で、ポスト2015年開発アジェンダに関する議論にも貢献しています。