- 国連の主要課題と日本の取り組み
国連の取り組み
国連憲章第1条は、国連の目的の一つを「国際の平和と安全を維持すること」と謳っています。この目的を達成するための主要な責任を担っている国連機関は、安全保障理事会(安保理)です。安保理は、紛争予防、平和維持、平和構築、及び強制措置等の様々な側面から、国際の平和と安全の維持のために活動しており、ほぼ毎日、世界の紛争及び関連問題について協議を行い、安保理としての意思決定を行っています。昨年(2014年)は計263回の公式会合が開催され、計63本の決議が採択されました。
また、安保理として紛争の解決及び紛争後の地域の安定化に取り組む手段の一つとして国連平和維持活動(PKO)があります。PKOは国際の平和と安全の維持に関する国連の活動の中核の一つであり、その多くはアフリカ及び中近東に展開しています。近年は紛争当事者の停戦・撤退監視などの伝統的な任務に加え、武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)や司法制度改革(SSR)、選挙、人権、「法の支配」などの分野における支援、政治プロセスの促進、紛争下の文民の保護など多様な任務が与えられ、規模の大きいPKOの数が増大しているのが特徴です。
日本の取り組み
[これまでの取り組み]
我が国は、これまで安保理の非常任理事国を計10回務め、国際の平和と安全の維持に向けた議論に積極的に参画してきました。国連PKOや多国籍軍への協力、及び予防外交や調停などの外交的手段のみならず、緊急人道支援から復旧復興支援、平和構築支援など、紛争後の国づくりも含めた、様々な形で国際平和協力を行っています。これまで、我が国はカンボジア、モザンビーク、ネパールなど13の国連PKOミッション等へ自衛隊の要員や部隊、警察要員を派遣してきました。現在も、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に自衛隊の要員や部隊が派遣されています。また、日本はこれまで、イラク、アフガニスタン、スーダン、ソマリア、カンボジア、コソボ、東ティモール、パレスチナ等において平和の構築への具体的な取組を行なっています。