- 国連の主要課題と日本の取り組み
気候変動問題と国連
気候変動問題は、先進国、開発途上国を問わず、国境を越えて人間の安全保障を脅かす喫緊の課題です。国際社会の一致団結した取組の強化が急務となっており、この地球規模の課題に組織的に取組むために、国連システムがもっとも有効な役割を果たすことが期待されます。
気候変動問題に対処するための国際的な法的枠組みは、各国の基本的な取組を規定する気候変動枠組条約、同条約を受けて先進国に対して2008年から2012年の温室効果ガスの具体的な排出削減目標等を定める京都議定書が採択されていますが、2012年に終了する京都議定書第一約束期間後、即ち2013年以降の排出削減の在り方及び次期枠組み構築に関する交渉が、国連の下で行われています。昨年12月にダーバン開催されたCOP17においては、将来の枠組みに関し、法的文書を作成するための新しいプロセスである「ダーバン・プラットフォーム特別作業部会」を立ち上げ、可能な限り早く、遅くとも2015年中に作業を終えて2020年から発効させ、実施に移すとの道筋が合意されました。
日本の取り組み
2009年9月、鳩山総理(当時)は国連気候変動首脳会合において、すべての主要国による、公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提に、温室効果ガス排出量を1990年比で言えば2020年までに25%削減することを目指すと発表しました。その後、排出削減等の気候変動対策に取組む開発途上国、及び気候変動の悪影響に脆弱な開発途上国を広く対象として、国際交渉の進展状況を注視しつつ、2012年末までの約3年間で、官民合わせて1兆7,500億円(おおむね150億ドル)規模の支援(うち公的資金1兆3,000億円(おおむね110億ドル))を実施することをCOP15の場において発表し、日本はこの方針に基づき,2011年10月末現在で125億米ドル以上の支援を既に実施しています。 昨年3月の東日本大震災にもかかわらず、気候問題に積極的に取り組むという我が国の姿勢は変わっていません。昨年12月のCOP17において国際社会に協力して地球温暖化対策に効果的に取り組むための「世界低炭素ビジョン」や「アフリカ・グリーン成長戦略(骨子)」の提案を行いました。