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第69回国連総会
議題37:アフガニスタン(11月20日)
吉川大使ステートメント(骨子)
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1 冒頭
- アフガニスタン決議のファシリテーターであるドイツ、本決議の作成に建設的に貢献してきたアフガニスタンに謝意を表したい。日本は、共同提案国として、本決議案を支持する。
- 国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)及びクビシュ元事務総長特別代表(SRSG)に敬意を表する。ヘイソムSRSGと山本DSRSGの就任に祝意を表明。アフガニスタンが主導する政治プロセス、社会・経済開発等の分野において、新たなリーダーシップの下、UNAMAが同国を支えていくことを期待する。
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2 新政権の直面する諸課題
- 9月29日、ガーニ大統領及びアブドッラー行政長官が就任したことを歓迎する。
- アフガニスタンは岐路に立っている。「変革の10年」を通じて、平和で安定し、持続的な経済・財政を有する国家を築くため、新政権は、様々な課題に遅滞なく取り組んで行かねばならない。この関連で以下3点を指摘したい。
(1)政治プロセス
- アフガニスタンが初の民主的な政権移行を果たしたことに祝意を表したい。日本も(選挙関連用品の調達等)支援を行った。
- 他方、大統領選挙プロセスが幾度も遅延したこと、また、大統領就任から50日以上経つにも係わらず主要閣僚が任命されていないことは遺憾。新政権に対し、早期に包摂的な閣僚人事を整えるよう呼びかける。また、新政権の腐敗対策、麻薬対策及び改革への強いコミットメントが着実に実施されることを期待。更に、タリバーンとの和解プロセスの進展も期待する。また、来年実施予定の下院議会選挙なども見据え、今回の大統領選挙の教訓を活かして、民主的なプロセスをより透明性のあるものとする必要がある。
(2)治安
- 本年末には、国際治安支援部隊(ISAF)が撤退し、アフガニスタンは、自立に向けて大きな一歩を踏み出す。
- 新大統領が米国との安全保障協定(BSA),NATOとの地位協定(SOFA)に署名したことを歓迎。
- これまでのISAFの勇気ある取組を高く評価し、「確固たる支援」任務(RSM)が引き続きアフガン治安部隊を支援していくことを歓迎する。
- 同国の治安の改善は、アフガニスタンの発展と国際社会の関与の基盤。同国を再びテロの温床としないよう、国際社会は、引き続き取り組む必要がある。日本は、UNDP/法秩序信託基金(LOFTA)に累計10億ドル以上拠出している。今月には、日本の財政・技術協力により、トルコにおいて200人の女性警察官研修が行われている。日本としては、この基金が適正な管理の下で、アフガニスタンの治安維持能力強化に活用されることを期待。
(3)持続的発展
- 2012年の東京会合において、アフガニスタンと国際社会は、相互責任に基づく、アフガニスタンの持続可能な開発に向けた支援枠組みTMAF(相互責任に関する東京フレームワーク)を創設した。
- 東京会合の閣僚級のフォローアップ会合として本年12月(4日)に開催されるロンドン会合(LCA)では、アフガン政府からガバナンスと開発に関するコミットメントが示され、国際社会が引き続いてのコミットメントを確認する場となることを期待。
- 日本は、2001年以降、約54億ドルのアフガン支援を行っており、米国に次いで第2位のドナーである。日本は、東京会合で表明した約30億ドル規模の支援の内、既に20億ドル以上の支援を実施している。日本は、アフガン新政権のコミットメントの実施を前提として、東京会合のプレッジを実施していく。
(了)