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UNAMAに関する安保理討論(9月18日)
吉川元偉大使ステートメント(骨子)
(UNAMAへの謝意)
●UNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)は、厳しい環境の下で、アフガニスタンの政治・開発プロセスで重要な役割を果たしている。UNAMAの指揮に当たっているクビシュSRSGに謝意を表明する。また、アブドッラー候補及びガーニ候補の間で仲介にあたったケリー米国務長官に敬意を表したい。
(国際社会のアフガン復興のための取り組み)
●2002年1月の東京会議を皮切りとして、国際社会は、アフガニスタンの復興に継続して取り組んできた。2012年の「東京宣言」は、「変革の10年(2015年~2024年)」を通じてアフガニスタンの持続可能な開発を支えていくため、TMAF(相互責任に関する東京フレームワーク)を創設した。
●日本は、2001年以降、アフガニスタンの安全確保及び持続可能な開発のため、総額約54億ドルの支援を実施。日本は、米国に次いで第2位のドナーである。自分自身、日本の初代アフガニスタン・パキスタン担当大使として、このプロセスに積極的に関与してきた。
(大統領選挙プロセスの現状、両陣営への要望)
●国際社会がアフガニスタン支援を持続できるかは、アフガニスタンがそれに見合ったコミットメントを実施するかによる。長期的な国際的な支援は、アフガニスタン側に信頼に足る正統なパートナーが存在することを前提としている。
●日本としては、大統領選挙プロセスが遅延している現状につき、失望を表明する。4月5日の第1回投票からすでに5ヶ月以上の時間が経過しているにもかかわらず、両陣営間の政治協議は、国家統一政府に関する合意には至っていない。
●アフガニスタンは岐路に立っている。日本は、両陣営が7月12日及び8月8日の合意に従って国家統一政府に関する合意を早期にとりまとめ、最終結果が発表された暁には、その結果を尊重することを強く期待する。
●アフガニスタンは、包摂的な政治体制の確保,腐敗対策,治安の確保、タリバーンとの和解、持続的な財政の確保,持続可能な経済開発の実現といった課題に直面している。日本としては、国家統一内閣がこれらの課題に遅滞なく取り組んでいくことを期待する。
(日本の取り組み)
●2012年7月の東京会合において、日本は、「2012年以降概ね5年間で最大約30億ドル規模の支援」を表明し,既に20億ドルの支援を実施している。日本としては、アフガニスタンの持続的な安定と繁栄のため、正統性を有する新政府とともに取り組む日が近く来ることを楽しみにしている。
(了)