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4月16日(木)
第8回平和構築委員会(PBC)年次報告書及び
平和構築基金(PBF)に関する事務総長報告書
に関する総会討論
吉川大使ステートメント骨子
1 冒頭
●Olof Skoogスウェーデン常駐代表の2015年平和構築委員会(PBC)議長就任に祝意。また,昨年PBC議長を務めたAntonio de Aguiar Patriota伯常駐代表の優れたリーダーシップに感謝。
●PBC年次報告書にあるとおり,昨年,PBCは,第一回年次セッションを成功裏に開催するとともに,平和構築アーキテクチャー(PBA)レビューのスコープ,TOR及びモダリティ策定に向けて建設的な議論を行った。
2 昨年の教訓作業部会の成果
●昨年,日本(吉川大使)が議長を務める教訓作業部会では「国連ミッションの移行」をテーマに議論を行った。作業部会は,国連ミッションの移行に係る主要な課題として,①平和構築優先課題に対応するための財政的及び技術的キャパシティの低下,②包摂的政治プロセスの持続の2つを特定。その上で,作業部会では,PBCは当該国政府,安保理及びその他関係者に対する助言機能を通じて,スムーズな移行を進めるための環境作りに貢献しえると結論づけた。
●日本は,PBCメンバー及び平和構築支援オフィス(PBSO)等の協力を得て,昨年末,会合での議論を取り纏めた報告書を作成し,PBC議長に提出した。日本としては,報告書が本年実施されているPBAレビュー及び国連平和活動レビューで十分に活用されることを期待する。
3 本年の教訓作業部会の取組
●本年,日本(吉川大使)の議長の下で,教訓作業部会は,「制度構築」をテーマに議論を行う予定。具体的には,①「国家権限の拡張」及び②「政治的制度構築」に係る課題に注目する予定である。治安及び司法制度の再建や選挙や和解を通じた政治プロセスの正常化は,平和構築の取組の中でも非常に重要な部分。昨年と同様,年末までに作業部会での議論の報告書を作成し,PBC議長に提出したい。
4 教訓作業部会の公式組織化
●こうしたテーマ別の議論は,ポスト紛争国に関わる政策の発展を促進しうる。広範なメンバーシップを有する教訓作業部会は,政策的議論を行うフォーラムとして重要な規範的役割を担うことができ,またそうあるべきである。
●他方,教訓作業部会は,PBC組織委員会内の非公式なグループに過ぎない。日本としては,PBAレビューを通して,教訓作業部会の公式組織化に向けた議論を行っていくことを提案したい。
5 平和構築基金(PBF)
●PBFは,多くの国の平和構築プロセスを支える重要な財政支援ツールとして実績を上げてきた。日本は,2014―16年のビジネス・プランの下で,PBFが積極的な成果を出していることを評価。例えば,緊急対応枠の活用,cross-boarderの案件の実施,新たなジェンダー・イニシアティブの発動などがとられている。
●PBFがより効果的に案件を実施していくためには,パートナー国のオーナーシップを確保するだけでなく,現地で活動している他のドナーとの連携を強化することも重要である。
●日本としては,PBFがアフリカのみならず,他の地域,特にアジアにおいて,グローバルな基金として重要な役割を引き続き果たしていくことを期待する。日本は,PBFの主要ドナーとして,PBFを引き続き支援していく。
6 結語
●日本は,PBC組織委員会メンバー並びに教訓作業部会の議長として,またPBFの主要ドナーとして,PBAの更なる発展に取り組んでいく。