中東情勢に関する安保理公開討論(1月20日)
吉川元偉大使ステートメント
(骨子)
ステートメント本文(英文)はこちら
1 中東和平
(1)総論
●イスラエル・パレスチナ両当事者間の直接交渉は重要な時期に差し掛かっている。9ヶ月の交渉期限(本年4月)まで残された時間は少ない。日本としては、両当事者に対し、一方的な行為を自制するよう呼びかける(イスラエルによる西岸地区の入植活動を含む)。
(2)パレスチナ支援
●パレスチナへの経済的な支援は、政治プロセスの前進に資する。かかる観点から、日本は、パレスチナにおける民間投資の動員を図るべく、独自のイニシアティブを引き続き進めていく。
●「CEAPAD(シーパッド):パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合」(日本・パレスチナ共催)は、昨年2月に東京で立ち上げられたもの。これは、東アジアの経済発展の経験や資源をパレスチナ支援に動員することを狙いとしている。
昨年12月には、日本は、東京にて、民間セクター促進会合を開催した。
本年3月にはインドネシアで第2回閣僚会合が開催される予定。インドネシアの協力に感謝。日本としては、会合の機会に大規模なパレスチナ新規支援を発表できるよう準備中。
2 シリア情勢
(1)政治プロセス
●暴力を停止させ、政治解決を図るためには、ジュネーブ2会議の成功裡の開催が極めて重要。
●日本からは、岸田外務大臣がジュネーブ2会議に参加する。日本としては、シリアの両当事者に対し、移行政権の樹立に向け、真剣かつ建設的に交渉に臨むよう、強く呼びかける。
(2)人道状況
●人道支援会合を開催したクウェートに感謝。日本の代表は、周辺国支援を含め、総額120百万ドルの新規支援を準備している旨を表明した。これにより、日本のシリア人道支援総額は、275百万ドルとなる。
(3)化学兵器
●日本は、化学兵器廃棄に向けた取組に可能な限りの協力を行う。日本政府は、OPCW及び国連の信託基金に対して総額18百万ドルの財政支援を行うことを決定している。