ステートメント

 

牛尾厚生労働省国際保健審議官ステートメント(仮訳)

 

2014年7月10日「非感染性疾患の予防及び管理において達成された成果及び

進歩の包括的レビュー及び評価に関するハイレベル会合」

ステートメント本文(英文)はこちら

 

Mr. Ushio議長,事務総長,ご出席委の皆様。

 

非感染性疾患(NCDs)の包括的レビュー及び評価に関するハイレベル会合において発言の機会を頂きありがとうございました。まず,初めに,今回の会合の開催に尽力されたバン・ギムン国連事務総長,マーガレット・チャンWHO事務局長,ヘレン・クラークUNDP総裁に対して,心より敬意を表したいと思います。

 

MDGsの達成期限が近づく今,2015年より先にどのように世界の人々の健康向上を目指すべきかが問われています。今日,先進国のみならず途上国においてもNCDsによる深刻な疾病負担が増加しており,途上国では二重の疾病負荷への対応という難しい課題に直面しています。ポスト2015年開発アジェンダの策定に向けて,SDGsオープンワーキンググループなどで,保健分野について活発な議論が進んでいるこの重要な時期に,NCDsの脅威を食い止め,持続可能な発展を確保するために重要な一歩となるこのNCDsハイレベル会合が開催されることを,心より歓迎いたします。

 

NCDsは今や世界の死因の6割を占めていますが,その対策においては,予防から診断,治療までを包括的に取り組むことが必要です。NCDsは、その発症や進行に生活習慣が大きく関与しているため,適切な対策を講じることで予防が可能です。治療においては、医療提供体制の整備などを,同時並行的に行う必要がありますが、NCDsを発症した者が単に疾患治療を受けられるだけではなく,必要な医療を経済的に困窮すること無く受けられることが重要であり,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進を通してNCDs対策に取り組んでいく事が,有効かつ不可欠です。さらに、NCDs予防には,健康の社会環境的決定因子への対処も重要であり,NCDs予防において、セクターを超えた分野横断的な取組,つまりHealth in All Policies(HiAP)アプローチが定着することを期待します。

 

我が国は,約50年前から国民皆保険制度を普及させ、経済成長の比較的早い段階から,低コストで衡平な国民皆保険制度を普及させることにより,乳幼児死亡率や脳血管疾患死亡率を大幅に減少させ,ひいては,世界トップクラスの平均寿命を始めとする輝かしい保健指標を達成してきました。2013年には、生活習慣の改善を促すための国民的な運動を総合的に進める「健康日本21」を改訂し,「がん,循環器疾患、糖尿病及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)」に対処するため,食生活の改善や運動習慣の定着等による一次予防に重点を置いた対策を推進するとともに,合併症の発症や症状の進展などの重症化の予防に重点を置いた対策を実施しています。また,生活習慣及び社会環境の改善も重視し,「栄養・食生活,身体活動・運動,飲酒,喫煙」など,個人の自主的な予防策の実行に加えて,社会政策としての健康づくり対策を強化し,その実現に向けた施策を推進しています。

 

健康であることは,人々が自由な選択を行い,社会的な機会を追求し,また,将来を計画することを可能にします。このことは,人間の安全保障の根幹でもあり,持続的で包摂的かつ衡平な経済発展を図る上でも必要不可欠です。ポスト2015年開発アジェンダにおいてNCDsが重要な課題として取り上げられ,世界的なNCDs対策が進むことで,NCDsの発症や進行が予防され,一人でも多くの人が不要な苦しみから救われることを切に祈念いたします。

 

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