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日本の武器貿易条約への署名

2013年6月3日

国連本部における武器貿易条約署名式典

 

7年間にわたる交渉を経て、2013年6月3日、国連本部において武器貿易条約(ATT)が各国による署名のために開放されました。この歴史的な日を記念すべく、国連本部のあるニューヨーク様々な行事が開催されました。

 

まず当日朝には、ATTの原共同提案国7カ国の代表者による朝食会が、フィンランド外相の呼びかけにより、フィンランド国連代表部で開催されました。ATTの交渉は、日本を含む7カ国(アルゼンチン、豪州、コスタリカ、フィンランド、ケニア、英国及び日本)が2006年に国連における交渉を開始するための国連決議を提出してから本格化しました。これらATT原共同提案国7カ国の代表は、朝食会合の場で共同声明を発出し、すべての国連加盟国が速やかにATTを署名、批准、実施すべきと強く呼びかけました。この7カ国は、今後もATTの実施のために各国及び市民社会と緊密に協力していくことで一致しました。

 

ATTの署名開放のための特別会合は、最近改装を終えたばかりの国連本部の信託統治理事会議場にて開かれました。国連のケイン軍縮担当上級代表が式典を開始し、この日が武器取引を規制する国際的な努力の中で、歴史的な日であると述べました。 また、3月の国連ATT会議の議長を務めた、豪州のウールコット在ジュネーブ大使は、ATT成立のために努力した各国政府及びNGOの努力を称えました。ウールコット大使はまた、ATTが平和と安定を国内、地域及び国際的なレベルで確保する上で中心的な役割を果たすと述べました。ベーレリ国際赤十字副委員長も挨拶し ATTが人権の保護と人道法の尊重に関する規定を有していることの重要性を強調しました。NGOを代表してマクドナルド氏がATTを実現する上で、市民社会が果たした役割を紹介しました。

 

一連の挨拶が終わり、ようやく武器貿易条約が署名に開放されました。日本を含む67カ国が、初日に条約に署名することができました。日本を代表して条約に署名したのは、3月の国連ATT会議で代表団長として交渉に臨んだ天野万利国連軍縮代表部大使でした。天野大使は、署名後の演説において、ATT自体が目的ではなく、条約を普遍的・実効的なものとしてはじめて、国際社会の平和と安定が向上すると述べました。天野大使はまた、「ペンは剣よりも強し」という諺を引用し、武器取引に関するルールが紛争の激化を防ぎ、外交による紛争解決の可能性を高めるとの期待を表明しました (天野大使の演説の全文(英文)はこちら)。

 

署名式典の午後の部に入り、潘基文国連事務総長が演説しました 事務総長は、ATTは、これまで規制されてこなかった武器取引の結果苦しんできた何百万という人々に希望を与えるものであると述べました。事務総長はまた、この条約は人道支援や平和維持活動に従事する国連の部隊などが活動することを容易にすることになると指摘しました。

 

署名式典の終了後、日本、豪州、ニュージーランド及びノルウェーの国連代表部が共催し、国際社会が実現した意義深い日を記念するためのレセプションを開きました。300名近い各国外交官、NGONGO関係者、研究者や国連の専門家が出席しまし、国連事務総長も参加しました。潘基文事務総長は、横浜で行われた第5回アフリカ開発会議(TICADV)からニューヨークに戻った当日にもかかわらず、こうした一連のATTに関する行事に参加しました。

 

レセプションにおいて、西田国連大使は挨拶し、ATTはその内容が実施されなければ単なる紙切れに過ぎないと指摘しました。今回日本は、ATTの最初の署名国の一つとなることで、武器貿易に関する国際ルールの強化に向けた強い意思を示すことができました。日本は引き続き、この分野において、各国間の透明性を高め信頼を強化し、各国政府及び市民社会と協力していく考えです。(ATT署名に関する外務省のプレスリリースは こちら)。

 

日本を含むATT原共同提案国7カ国の朝食会合

日本を含むATT原共同提案国7カ国の朝食会合

 

天野万利軍縮代表部大使が武器貿易条約に署名

天野万利軍縮代表部大使が武器貿易条約に署名

 

ATT署名式典で演説する天野大使

ATT署名式典で演説する天野大使

 

潘基文国連事務総長とケイン国連軍縮担当上級代表

潘基文国連事務総長とケイン国連軍縮担当上級代表

 

記念レセプションにてATT署名開放を祝って乾杯する各国関係者

記念レセプションにてATT署名開放を祝って乾杯する各国関係者

 

西田国連大使、潘基文事務総長、ケリー豪州国防調達大臣

西田国連大使、潘基文事務総長、ケリー豪州国防調達大臣

 

ATT署名開放記念レセプションにて挨拶をする西田国連大使

ATT署名開放記念レセプションにて挨拶をする西田国連大使

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