中東和平問題に関する安保理公開討論における原口大使演説
2004年3月23日
議長、
イスラエル軍によるハマス指導者アハマド・ヤシン師の殺害は、その行為がもたらす結果に対する考慮を欠いた、無謀な行為であり正当化できるものではありません。また、和平の実現を大きく損なうものです。我が国はこのヤシン師殺害を非難します。
議長、
3月に入って以来、この地域において暴力がさらなる暴力を呼ぶ悪循環が再び始まったかの様相を示していましたが、今次殺害事件は、深刻な報復を招き、紛争の全般的過激化を招く恐れのある、極めて深刻な事態です。また、今次事件がイスラエル・パレスチナ紛争の文脈にとどまらず、より広範囲の地域に悪影響を及ぼしかねないことを懸念します。今次事件が憎悪と暴力の連鎖を拡大するのを回避するため、我が国としては、イスラエルが最大限の自制を行使するとともに事態の沈静化のための効果的な政策を直ちにとることを求めます。
議長、
和平の進展のためには、最終的には両当事者が怒りや、相手に対する信頼の喪失を克服し、交渉のテーブルに着く以外にありません。イスラエル・パレスチナ両当事者の指導者が勇敢な指導力を発揮して、2国家の平和共存のヴィジョンを一日も早く実現するように再び交渉を通じた和平へと速やかに方向を戻し、「ロードマップ」履行を再開することを強く呼びかけます。
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