中国の日本へのステートメントに対する日本の立場について

令和7年12月4日
仮訳)
2025年12月4日
アントニオ・グテーレス閣下
国際連合事務総長
ニューヨーク
 
閣下、
 
12月1日、中国常駐代表が、日本に関する書簡を貴事務総長に再び送り、これが全国連加盟国代表部に回付されました。同書簡における中国側の主張は、11月21日付の前回の書簡と同様に、事実に反し、根拠に欠けるものであり、全く受け入れられません。日本の立場は、11月24日付の貴事務総長に宛てた別添の私の書簡で述べたとおりですが、日本の考えを改めて貴事務総長と共有すべく、本国からの指示に基づき本書簡をお送りいたします。
 
日本は、戦後一貫して、国連憲章を始めとした国際法を遵守し、国際社会における法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化、そして、世界の持続的な発展に、真摯に取り組んできました。こうした日本の姿勢は揺るぎないものであり、国際社会で広く知られています。日本は今後とも、平和を愛する国家として、国際法に則りつつ、国際社会の平和、安定、繁栄に貢献していく所存です。
 
日本は、意見の違いについては、対話を通じて解決すべきとの立場です。それこそが、国連憲章の精神の中核だと考えるからです。日本は、引き続き、対話を通じて冷静に対応していく方針です。
 
本書簡を、冒頭の中国常駐代表からグテーレス事務総長への文書に対する日本政府の立場を示した議題120「国連決議の実施」に関する公式文書として適切に回覧いただくようお願いします。
 
 
敬具
 
(署名)
山﨑和之
特命全権大使
国際連合日本政府常駐代表
 
cc. アナレーナ・ベアボック閣下
第80回国際連合総会議長