国連新型コロナ特別総会における菅総理大臣スピーチ

2020/12/4

 
1 12月4日、午前6時26分(日本時間)から約5分間、菅義偉内閣総理大臣は、国連新型コロナ特別総会の一般討論セッションにおいて、ビデオメッセージの形式でスピーチを行いました。

2 菅総理大臣のスピーチの全文は以下のとおりです。

日本国内閣総理大臣の菅義偉です。

   皆様、
   まず、世界中で感染症との闘いの最前線に立ち続ける医療従事者をはじめとした多くの方々の献身的な御努力に対し、深い敬意とともに、心からの感謝の意を表します。また、WHOをはじめとした国連の御活動と御尽力にも敬意を表します。 新型コロナウイルスの感染拡大は、人類に未曾有の挑戦を突き付けました。日本は、官民の持てる知恵を結集させ、感染拡大を防止し、人々の命と暮らしを守るための取組を進めていきます。

   今回の危機は、国際社会の連帯の必要性を私たちに改めて想起させました。私たちは、この危機により「分断された世界」ではなく、危機を乗り越えるべく「団結した世界」を実現しなければなりません。
   とりわけ、国連は、全ての関係者が建設的に関与し、透明性をもって連携する場です。特に、WHOが現下の危機の克服や将来の危機への備えに貢献できるよう、日本は、WHOの検証・改革に協力してまいります。

   今回の危機により、世界の人々の命・生活・尊厳が脅かされている中で、「人間の安全保障」の理念に立脚し、「誰の健康も取り残さない」ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指すことが重要です。
そのために、日本は、「喫緊の課題である感染症危機の克服」、「保健医療システムの基盤強化」、そして、「感染症に強い環境の整備」という、多層的な取組をスピード感をもって展開しています。
まず、感染症危機の克服においては、ACTアクセラレータをはじめとした多国間協力の枠組みを重視しています。日本は、その共同提案国として、ワクチンの公平なアクセスのためにCOVAXファシリティに、いち早く拠出するとともに、特許プールを通じた治療薬の供給などに取り組んでいきます。
   将来の健康危機への備えには、保健医療システムの強化が重要です。日本は、アジア・アフリカを中心に、感染症対応の中核となる医療施設を整備し、それらの施設の連携促進や、人材育成を行うことにより、地域全体の保健医療システムの基盤を強化しています。感染症に強い環境の整備に向けては、栄養、水、衛生といった分野横断的な取組を、民間セクターとも連携して推進しています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、栄養不良が深刻化しています。日本は、来年12月に「東京栄養サミット」を開催しますが、それに先立ち秋に開催される「国連食料システムサミット」とも連携しつつ、世界的な栄養改善に向けて尽力していく決意です。

ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会を作り上げていくには、感染拡大により打撃を受けた世界経済の回復と成長の実現も不可欠です。
   日本は、2年間で最大5,000億円の緊急支援円借款を実施するなど、途上国の経済活動の再興を後押ししています。
さらに、デジタル化や、脱炭素社会の実現、自由で公正な経済圏の拡大、多角的自由貿易体制の維持・強化などを通じ、持続可能な経済成長に向けた取組を主導していきます。

   今年9月の国連総会において、私は、来年の夏、人類がウイルスに打ち勝った証として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する決意を表明しました。この決意を胸に、引き続き、安全・安心な大会を実現するため、全力で取り組んでまいります。 御清聴、ありがとうございました。

[参考]国連新型コロナ特別総会
   新型コロナ感染症の拡大による社会・経済活動への前例のない悪影響を受け、本年6月、非同盟諸国(NAM)議長国アゼルバイジャンから、多国間協力に基づいた包括的かつ革新的な新型コロナ感染症対策の重要性が提起され、国際社会が一丸となって対応すべく開催が提案された国連の特別総会。