第78回国連総会第3委員会における北朝鮮人権状況決議案の採択に関する大野祥公使によるステートメント
令和5年11月15日

- 日本は、共同提案国の一つとして、北朝鮮人権状況決議案の採択を歓迎する。また、これまでのEU代表部による努力に深い感謝の意を表する。
- 我が国は、北朝鮮の人権状況を深く憂慮している。とりわけ、拉致問題は、北朝鮮が犯した最も深刻な人権侵害の一つであり、国家の主権及び我が国国民の生命と安全に関わる重大な問題。国際社会でも広く知られているとおり、1970年代及び80年代に多くの日本人が北朝鮮により拉致された。
- サルモン北朝鮮人権状況特別報告者及び国連事務総長による報告書における拉致問題への言及を歓迎する。
- 拉致被害者及びその御家族は、長年にわたり多大な苦しみを被り続けていることを強調したい。その苦しみの中でお亡くなりになった御家族も少なくない。特に親世代の御家族については御存命の方が限られてきている。46年前の今日(11月15日)、新潟で北朝鮮工作員により拉致された横田めぐみさんの母親の横田早紀江さんは87歳、同じく北朝鮮に拉致された有本恵子さんの父親の有本明弘さんは95歳となるなど、もはや一刻の猶予もない。
- 北朝鮮に対し、たった今採択された本決議で示されている国際社会の見解を真摯に受け止め、また、北朝鮮にとらわれている拉致被害者の声及びその帰りを長きにわたり待ちわびている拉致被害者御家族の声に真摯に耳を傾け、全ての拉致被害者の即時帰国を含め、拉致問題を早急に解決するための具体的かつ前向きな行動をとることを引き続き強く求める。