ブーゲンビル情勢に関する安全保障理事会公開会合における本村国連代表部大使演説(仮訳)
2003年12月15日
議長、
まず、最初に、日本政府は、本年八月に行われた前回の公開会合以降も、ブーゲンビルにおける和平プロセスが順調に進展していることを歓迎します。また、二〇〇一年の和平合意の履行が最終段階を迎えていることは欣快です。現在、回収した武器の最終処分を決定する第三段階を迎えています。武器回収の完了で治安が回復することにより、和平合意にあるブーゲンビル自治政府設立のための選挙が早期に実施可能となり、住民が安全に生活し、地域の復興を始めることが出来るようになることが、国際社会の総意であると考えます。
議長、
日本政府は、国連ブーゲンビル政治ミッション(UNPOB)が、一九九八年の設立以来、武器回収を含めたマンデートを着実に履行していることを評価しています。和平プロセスが最終段階を迎えた現在、十年以上の長期に亘った紛争の終結によりもたらされた、ブーゲンビルにおける和平が確実かつ不可逆的な形で定着することが肝要です。そのためにも、UNPOBがそのマンデートを必要な範囲で延長し、残された任務を完遂することを支持します。
しかし、同時に、我が国は、国連予算の19.6%もの高率の負担を余儀なくされている加盟国として、国連予算の拡大傾向に重大な懸念を有していることを申し添えます。したがって、UNPOBがマンデートを延長した後、我が国を含む各国がUNPOBの活動の有効性につき検証出来るように、然るべきタイミングで評価報告を提出することを求めます。また、UNDPを始め現地で活動する国連諸機関との連携と協力を深めることが、UNDOBのマンデートの早期終了に資するものと考えます。この関連で、先ほど、UNPOBの構成の縮小及びUNPOBとUNDPとの事務所スペースの共有につき提言が行われたことを歓迎します。
議長、
我が国は、紛争終結後の「平和の定着」のための支援を外交方針の柱の一つと位置づけています。この関連では、我が国政府が五月に主催した「第三回日・太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議」において、小泉総理とソマレPNG首相を含むPIFの首脳との間で、「太平洋地域の安全保障の強化」を日本とPIFが共に取り組むべき重点政策目標の一つとして掲げました。かかる目標に向けた具体的取り組みの一つとして、日本政府は、十月からブーゲンビル住民の生活の安定・経済の強化を目的として、教育、保健衛生、交通インフラといった分野の改善のための支援を開始しています。
日本政府は引き続きブーゲンビル和平に関する進展に高い関心を払ってまいります。
ありがとうございました。
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