西アフリカ(シエラ・レオーネ及びマノ河連合)安保理公開演説における本村大使演説(仮訳)
平成14年7月18日
議長、シエラ・レオーネ外相及びギニア外相各位
本日の安保理の会合を開催いただき有り難うございます。シエラ・レオーネにおいて特に顕著な紛争後の情勢及びマノ河連合に関し、三点簡潔に指摘したいと思います。
第一に、西アフリカの安定を確保するため、関係国間の信頼醸成を奨励するためあらゆる努力が払われるべきです。我々は、ECOWAS、モロッコその他の諸国がこの目的のために行っている努力に留意し、これを歓迎します。
第二に、紛争後の状況から開発への円滑な移行も地域の安定のために不可欠です。日本は、このため、国連人間の安全保障基金を通じ、シエラ・レオーネの元兵士の社会復帰のための事業に約300万ドルの支援を行うことを決定しました。この支援は、UNAMSIL及びUNDPにより同国において実施されるキャパシティ・ビルディング及び雇用の創出のための活動に使われます。
第三に、紛争後の状況における司法制度の重要性を強調したいと思います。我が国政府は、このため、シエラ・レオーネ特別裁判所の活動を強く支持していきます。この目的のため、日本は50億ドルの拠出を行いました。同裁判所の設立に向けた進展を歓迎しています。
議長、
私は、この機会に、小泉総理が最近発表した我が国のアフリカに関する新戦略について述べたいと思います。日本は、「日本のアフリカとの連帯-具体的行動-」と名付けられたこの戦略の下で、低所得国に対し教育分野で今後5年間で約20億ドル以上の支援を実施するとともに、UNDPと協力し、ネリカ米、すなわちアフリカ米とアジア米を交配した新しい米の開発・普及を促進しています。このいわゆる「ミラクル・ライス」は、特に西アフリカにおける食糧不足の問題の解決に貢献するものと期待されます。これらの取り組みは、日本が支援を行う際に強調している「人間中心の開発」の概念に基づくものです。また、日本は、この戦略の下で、紛争の解決、平和のためアフリカ諸国自信が行う取り組みへの支援を行います。
日本は、この新たな戦略の下で行われる取り組みが、この地域の安定及び開発に大きく貢献するものと確信します。
議長、有り難うございました。
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