2004年

 
 

テロ行為による国際平和と安全への脅威に関する安保理公開討論における原口国連大使演説
(仮訳)

2004年10月19日

議長、

まず、本日のデニゾフ・テロ対策委員会(CTC)議長及びルペレズCTC事務局(CTED)長の詳細な活動報告に感謝します。今日、テロ行為は数の面でも増加し、被害の面でも拡大しており、我々のテロを撲滅させようとする目標は却って遠ざかっています。そのような状況の下、我が国としては、CTCがデニゾフ議長のリーダーシップによりその再活性化に取り組み、安保理メンバー国が、テロ対策に関する国際協力の強化を図るとともに安保理がテロ対策の課題に積極的に取り組んでいることを明らかにした新たな決議一五六六を全会一致で採択したことを歓迎します。

議長、

我が国は、安保理決議一五三五に基づくCTCの再活性化及び新たな安保理決議一五六六に基づく措置をともに支持します。以上を述べた上で、本日は次の三点を指摘したいと思います。

議長、

第一に、安保理決議一五六六は、これまであまり手当がなされてこなかったタリバーン及びアル・カーイダ関連以外のテロリストに対する措置を検討するために安保理内に作業部会を設置することを決定しました。我が国としては、これを支持するものではありますが、新たな作業部会とCTCや対タリバーン、アル・カーイダ制裁委員会といった既存の組織との関係を十分に整理し、作業部会の設置が単なる組織の肥大化につながることなく、テロ対策の強化につながることを確保すべきと考えます。

第二は、CTCの第三四半期における活動計画に示されているCTCによる外国訪問の問題であります。安保理も、その決議一五六六の中で、CTCに対し外国訪問を優先事項として開始するよう指示していることを想起すべきであります。我が国は、CTCにおいて、外国訪問に関するガイドライン及び手続が策定されたことを評価します。具体的な訪問先やその他詳細等の計画については、引き続き検討が進められるものと理解していますが、我が国としては、外国訪問後、その訪問の成果がどのようなものであり、今後どのような効果をもたらすのかCTCの見解について、可能な限り具体的な説明が加盟国に対してなされることを希望します。

第三に、我が国としては、安保理によりCTEDの組織計画が八月に承認されたことを評価します。しかし、その組織の具体的な体制はまだ明らかになっていません。我が国としては、ルペレズCTED事務局長の下で、テロとの闘いを一層効果的に進めるために、CTEDが早く積極的な役割を果たすことを強く期待しています。そして我が国としては、CTEDの成功裡な立ち上げに積極的に協力する用意があります。

議長、

最後に、我が国は、最近発生したテロの被害者の家族をはじめとする関係者の方々に改めて深い哀悼の意を表します。テロ行為は如何なる理由をもってしても正当化されるものではありません。テロ行為を抑止するための国際協力の一層の強化が図られることを我が国としては改めて強く支持します。そして、我が国は安保理関連諸決議を通じた効果的なテロ対策の実現に向け、全面的に協力していきます。
                              (了)

   
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2004年

 
 

テロ行為による国際平和と安全への脅威に関する安保理公開討論における原口国連大使演説
(仮訳)

2004年10月19日

議長、

まず、本日のデニゾフ・テロ対策委員会(CTC)議長及びルペレズCTC事務局(CTED)長の詳細な活動報告に感謝します。今日、テロ行為は数の面でも増加し、被害の面でも拡大しており、我々のテロを撲滅させようとする目標は却って遠ざかっています。そのような状況の下、我が国としては、CTCがデニゾフ議長のリーダーシップによりその再活性化に取り組み、安保理メンバー国が、テロ対策に関する国際協力の強化を図るとともに安保理がテロ対策の課題に積極的に取り組んでいることを明らかにした新たな決議一五六六を全会一致で採択したことを歓迎します。

議長、

我が国は、安保理決議一五三五に基づくCTCの再活性化及び新たな安保理決議一五六六に基づく措置をともに支持します。以上を述べた上で、本日は次の三点を指摘したいと思います。

議長、

第一に、安保理決議一五六六は、これまであまり手当がなされてこなかったタリバーン及びアル・カーイダ関連以外のテロリストに対する措置を検討するために安保理内に作業部会を設置することを決定しました。我が国としては、これを支持するものではありますが、新たな作業部会とCTCや対タリバーン、アル・カーイダ制裁委員会といった既存の組織との関係を十分に整理し、作業部会の設置が単なる組織の肥大化につながることなく、テロ対策の強化につながることを確保すべきと考えます。

第二は、CTCの第三四半期における活動計画に示されているCTCによる外国訪問の問題であります。安保理も、その決議一五六六の中で、CTCに対し外国訪問を優先事項として開始するよう指示していることを想起すべきであります。我が国は、CTCにおいて、外国訪問に関するガイドライン及び手続が策定されたことを評価します。具体的な訪問先やその他詳細等の計画については、引き続き検討が進められるものと理解していますが、我が国としては、外国訪問後、その訪問の成果がどのようなものであり、今後どのような効果をもたらすのかCTCの見解について、可能な限り具体的な説明が加盟国に対してなされることを希望します。

第三に、我が国としては、安保理によりCTEDの組織計画が八月に承認されたことを評価します。しかし、その組織の具体的な体制はまだ明らかになっていません。我が国としては、ルペレズCTED事務局長の下で、テロとの闘いを一層効果的に進めるために、CTEDが早く積極的な役割を果たすことを強く期待しています。そして我が国としては、CTEDの成功裡な立ち上げに積極的に協力する用意があります。

議長、

最後に、我が国は、最近発生したテロの被害者の家族をはじめとする関係者の方々に改めて深い哀悼の意を表します。テロ行為は如何なる理由をもってしても正当化されるものではありません。テロ行為を抑止するための国際協力の一層の強化が図られることを我が国としては改めて強く支持します。そして、我が国は安保理関連諸決議を通じた効果的なテロ対策の実現に向け、全面的に協力していきます。
                              (了)