コソボ情勢に関する安全保障理事会公開会合における原口国連大使演説(仮訳)
2004年3月18日
議長、
コソボ情勢に関する本公開会合を開催して頂いたことに感謝します。
議長、
最初に、我が国は、昨日コソボにおいて発生し、多くの死傷者を出した暴力事件を強く非難し、直ちに全ての暴力が停止されること及び暴力の責任者が正しく処罰されることを求めます。また、KFOR兵士及びUNMIK要員に対しても攻撃がなされたことを強く非難します。我が国は、ハリ・ホルケリ事務総長特別代表を始め、国際社会の全ての関係者が平和構築に係る建設的な努力を継続している中でこのような事件が起こり、多くの死傷者が出たことを特に残念に思います。また、我が国は、被害者の御家族に対して謹んで哀悼の意を表明いたします。
議長、
コソボにおいては、既にあまたの貴重な人命及び財産が失われています。更に、この悲劇的な事態を解決するために、これまで国際社会から多大なる人的、外交的、財政的な資源が投入されてきました。我々は、関係者全てが、こうした点を強く認識する必要があると考えます。その上で、我が国は、全ての関係者が、国連安保理決議1244及び「地位の前に水準」との方針に基づき、問題をエスカレートさせることなく、対話を深めることにより、問題の解決に努めることを強く求めたいと考えます。
議長、
他方において、今般のような事件の再発を防ぐためには、国際社会の側としても、コソボにおける平和の定着及びその前提となる経済発展について、引き続き真剣な努力を行う必要があると考えます。この観点から、我が国は、来る4月、東京において西バルカン平和定着・経済発展閣僚会合を開催することを予定しており、同会合において有益な意見交換がなされることを望みます。また、このような事案の再発への具体的な処方箋として、我が国として従来から取り組んできたところでありますが、国連開発計画の小型武器回収計画を含むコソボにおける治安強化の重要性を指摘したいと思います。
議長、
我が国は、コソボ情勢の安定化が南東欧地域全体の安定と繁栄にとって重要であるとの確固たる認識の下、国際社会と協調しつつ、引き続き南東欧地域の安定と繁栄に協力していく考えであります。
ありがとうございました。
|