東ティモール情勢に係る安保理公開会合原口大使演説(仮訳)
2003年10月15日
議長、
本日の公開会合を開催して頂き有り難うございます。包括的な説明を行って頂いたカマレシュ・シャルマ事務総長特別代表にも感謝致します。
議長、
日本政府は、東ティモールにおいて、UNMISET及び関係する国際社会の協力により、公共行政、重大犯罪、国内治安、及び国境管理に係る進展を含む東ティモールとインドネシアとの関係強化において、多くのことが達成されたとの報告を喜ぶものです。また、UNMISETに費消された予算を見た場合、極めて費用効率的に実施されたオペレーションであったと考えます。
他方で、事務総長報告は、特に公共行政、司法、警察、人権、安全保障等の面において引き続き克服すべき様々な政治上及び治安上の課題が残っていると述べております。日本政府は、マンデート終了までの残り少ない時間の間に、今まで実施してきた施策を少しでも確固とした形で定着させようとするUNMISETの努力を心から支持するとともに、UNMISETマンデート終了後もこれらの面において国際社会による協力が必要との事務総長の見解に同意します。我々は、UNMISETのマンデートが終了した後、UNMISETの残した果実が忘れ去られ、東ティモールが元の混乱に戻ることは受け入れられません。
我々は、ポストUNMISET段階について、国連事務総長より、出来る限り早期に、かつ具体的な形で提言がなされることを希望します。日本としても、東ティモール政府、国連及び関係諸国の考え方を聴取しつつ、最も適切な支援につき真剣に検討してまいりたいと思います。平和の定着、平和の構築は、現在、国際社会の抱える大きな課題です。国連及び国際社会にとって、この東ティモールに定着し始めている平和、法の支配、人権の尊重、開発などを長期間持続し得るものにしていくことは極めて重要です。我が国としても、平和の定着、平和の構築、それに人間の安全保障の推進のための適切な支援を行っていくことは勿論ですが、国際社会の引き続きの支援も要請していきたいと考えます。
議長、
我が国は、東ティモールの自立的な国造りへの支援の提供においても主要な役割を果たしてきております。平和構築並びに農業、インフラ整備及び人材開発という主要三分野における復興支援に焦点を当て、独立後三年間で六千万ドルを上限とする支援表明を着実に履行してきています。また、現地に派遣されている自衛隊施設部隊が、UNMISETの活動のために建設、補修を行った道路、橋が、東ティモールの人々にも裨益していると知り嬉しく思います。このような支援は、今次事務総長報告においても記述されている東ティモールのニーズに極めて適合するものと考えております。
議長、
我が国は、引き続き国際社会の協力を得つつ、東ティモールの指導層が団結して国を導くこと、東ティモールの国民全てが国造りに参加することの重要性を再度強調したいと思います。
ありがとうございました。
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