東ティモール情勢に関する安全保障理事会公開会合における原口国連代表部大使演説
平成15年4月28日
議長、
本日の公開会合を開催して頂き有難うございます。包括的な説明を行って頂いたカマレシュ・シャルマ事務総長特別代表にも感謝致します。
議長、
国連東ティモール支援団(UNMISET)に関する事務総長報告(S/2003/449)は、独立1年後の東ティモールの状況を詳細に描写しています。日本政府はこの1年間に公共行政、国内治安、及び国境管理問題を含む東ティモールとインドネシアとの関係において多くのことが達成されたとの報告を喜ぶものです。しかしながら、まだ克服すべき様々な政治上及び治安上の課題が残っています。私共は、公共行政、司法、警察及び安全保障等の分野においてUNMISETの終了後においても一層の二国間の支援が必要であるとの事務総長の見解に同意します。
議長、
この関連で、現地における最近の暴動や武装襲撃等の事件は、我々全ての大きな懸念です。我が国政府はかかる状況に対処して採択された安保理事会決議1473を歓迎し、事務総長報告に示された修正された戦略を支持します。また、事務総長の勧告どおり、UNMISETのマンデートをあと1年間、2004年5月20日まで延長することを支持します。我が国政府としては、施設群が修正された縮小日程に沿いつつ引き続きUNMISETの任務の成功と東ティモールの国造りの努力に貢献し得るようにするための所要の措置を講ずる考えです。
同決議において強調されているように、東ティモール警察の全般的な能力を向上することは重要な優先課題です。私共は、我が国が喜んで資金を拠出した警察の能力構築のためのワークショップが先週成功裡に開催されたことに意を強くします。これが警察に関する合同評価ミッションの勧告の履行に貢献することを希望します。
議長、
先週東ティモールのラモス・ホルタ外務・協力上級大臣が我が国を訪問され、川口外務大臣と会談されました。その際、ラモス・ホルタ大臣は、警察の訓練と強化だけでは東ティモールの治安を維持することはできず、投資を誘致し雇用機会を創出することも必要である旨強調されました。私共はこれに強く同意します。我が国は東ティモールの自立的な国造りへの支援の提供において主要な役割を果たしてきています。平和構築並びに農業、インフラ整備及び人材開発という主要三分野における復興支援に焦点を当て、独立後3年間で6000万ドルを上限とする支援表明を着実に履行してきています。中でも人材開発は国の基礎であり特に重要です。開発の前提である国家の安定を強化する目的で、保健水準の向上及び貧困削減、並びに東ティモール元兵士及び社会の復興・雇用・安定計画(RESPECT)を通じた元兵士の雇用機会の提供のため、既に800万ドルを充当しました。また、日本政府は最近、東ティモールの国民和解を促進するため、真実和解委員会に対し47万ドルの追加支援を決定しました。
議長、
東ティモールに残る課題に留意しつつ、私は東ティモールの指導層が団結して国を導くこと、東ティモール国民が自らの責任に係わる課題として国造りに参加すること、そして国際社会が支援を継続することが重要であることを再度強調したいと思います。日本政府としては東ティモールにおける平和の定着のために出来る限りの支援を行うため努力を惜しまない考えです。
有難うございました。
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