10月25日、ニューヨークの国連本部の広島・長崎原爆常設展示場において、日本政府代表部と国連事務局(軍縮部、広報局)が協力し、国連軍縮週間にあわせてニューヨークを訪問している非核特使の紹介及び「平和のための詩」コンテストの優秀作品を紹介するためのイベントが開催されました。その模様は、国連のテレビ局(UNTV)によってインターネット等を通じ放映されました(概要は国連ウェブサイトから見ることができます)。
このイベントにおいては、冒頭西田恒夫大使が歓迎と開会の挨拶を行い、今回非核特使としては初めてニューヨークを訪問した、据石和さんと節子・サーローさんを紹介するとともに、被爆者の証言の多言語化や、非核特使の活動をはじめとする軍縮・不拡散教育に関するこれまでの日本の取り組みと非核特使の活動を紹介しました。
その後、国連を代表して出席した、赤阪広報局長、ホッペ軍縮担当次席上級代表、さらには、国連Youth Championに任命されている、若者に人気の米国の女優・歌手であるMonique Colemanさんの挨拶の後、「平和のための詩」コンテストの結果が発表されました。このコンテストには、国連及び外務省のウェブサイトに掲載されている被爆者の証言を聞いた上で投稿した、世界中から合計741件の詩が投稿されました。会場では、優秀作品として選ばれた上位3名の詩が、若手の国連インターンによって朗読されました。
「平和のための詩」のコンテストの概要は以下のリンクからご覧頂けます。
国連のホームページ(英文):
http://www.un.org/disarmament/special/poetryforpeace/
当代表部のホームページ(日本語)
http://www.un.emb-japan.go.jp/jp/events/092711.html
詩の朗読の後、非核特使である据石和さんと節子・サーローさんが挨拶しました。現在カリフォルニアに在住している据石さんからは、広島での被爆後米国に移った際の経験を紹介の上、原爆の投下や戦争の経験を通じて憎しみ合うのではなく、一人でも戦争や原爆によって苦しむ人がいないように、「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」を実現していくことが重要であることを、出席した地元ニューヨークの学校の生徒達に呼びかけました。また、カナダのトロントから参加した節子・サーローさんは、今回優秀作品に選ばれた詩はいずれも力強く、サーローさん自身の経験を思い出させるものであったこと、こうした経験を次世代に継承していくことが重要であること、そして若者が詩作や創造的な活動を通じて、平和を作る運動に関与していくことが重要であることを訴えました。
会場には、各国の外交官やNGO関係者が多数参加したほか、地元ニューヨークの中学校・高校の生徒も多数参加し、国連のテレビ局(UNTV)において放映されたほか、報道各社も取材しました。また、イベントの冒頭及び優秀作品の発表の際には、広島、長崎でもコンサートを行った若者によるバイオリンの演奏が行われるなど、非核特使と「平和のための詩」を紹介する機会をより荘重なものとしていました。
今回のイベントは、世界各地で被爆体験の次世代への継承に活動する非核特使の紹介を通じた日本の軍縮・不拡散教育に向けた努力を国連関係者に示すだけでなく、「平和のための詩」コンテストの実施を通じ、フェースブックという若者に受け入れやすいメディアを使い、若い世代が被爆者の証言を直接聞き、軍縮の重要性を考える機会を設けたものといえます。 |