2012年

 
 

東日本大震災1年関連行事「HIKOBAE」公演・レセプションの開催

 

 

2012年3月12日

3月12日、東日本大震災一年にあたり、日本の震災後の復興を世界に発信するための舞台公演「HIKOBAE」が、国連本部において、日本政府代表部の主催により開催されました。公演は案内後間もなく満席になるほど、多くの国連関係者の関心を集め、当日も劇の力強い内容に大きな反響がありました。

 

「ひこばえ(HIKOBAE)」とは、古木の切り株や根元から生えてくる若芽のことです。この公演で、これは再生と新しい息吹を象徴しています。この「HIKOBAE」は、福島県相馬市の病院にて、震災後の津波、原発事故後の困難な状況に立ち向かう、医師、看護師、消防団の人々の姿を描いた舞台です。相馬市は昨年、潘基文国連事務総長が訪問した被災地の一つでもあります。国際社会において災害支援や復興に関する様々な分野に取り組む国連において、多くの困難な局面に立ち向かう国連職員及び各国の外交官に、こうした日本の人々の姿を見てもらうことに大きな意義があると考え、今回公演を開催することとなりました。(公演の概要及び当日配布されたパンフレット(英文)はこちら)。

 

公演の冒頭、西田恒夫日本政府代表部大使から、こうした公演の意義を述べるとともに、各国からの震災復興のための支援への感謝及び世界各地で災害に苦しむ人々への連帯の気持ちを込めて、公演を開催する旨の挨拶がありました。また、国連での「HIKOBAE」公演のためにニューヨークに来訪した、立谷秀清福島県相馬市長からも挨拶があり、震災後に寄せられた国際社会からの支援への感謝の気持ちが述べられました。

 

公演の最後には、来賓を代表してミギロ国連副事務総長から挨拶がありました。ミギロ副事務総長は、出演者を讃えるとともに、自然災害に対し、援助だけでなく芸術を通じて答えることができると述べ、今回の国連における公演の意義を強調しました。また、震災後、日本が開発や軍縮、原子力安全等の分野で引き続き貢献していることを紹介し、日本が引き続きリーダーシップを発揮していくことに対する期待を表明しました。また、国連で働く日本人職員を代表する形でFAO(世界食糧機関)ニューヨーク事務所の村田俊彦氏からも、公演を見ての感想が述べられるとともに、震災後の国連の活動を紹介し、また有名な相馬市の伝統的な祭りである相馬野馬追が一日も早く再開されることに対する期待が示されました。

 

公演に引き続き、国連本部内で、招待客及び公演の制作担当者や俳優の皆さんを交えてのレセプションが開催されました。レセプションでは、すしや日本酒などの和食等が提供され、出席者の好評を博していました。当日配布されたプログラムにも、震災を経ても力強く復興に向けた努力を続ける日本の国際社会への貢献が説明されました。

 

公演及びレセプションには、会場が満員となる約130名が出席し、国連職員、各国外交官、NGO関係者が参加しました。出席者からは、今回の公演において、描かれた震災後の人々の献身的な働きと、その後の日本の復興に向けた努力に対する賞賛の声が多く聞かれました。出席者からはまた、今後の日本の復興を確信しているとの意見や、日本のさらなる国際社会への貢献を期待する意見も示されました。今回の公演とレセプションの開催は、日本が復興に向けて努力していることを発信し、とくに被災地の人々の姿を、演劇を通じ強くアピールする意味で有意義であったと言えます。


冒頭挨拶をする西田大使


立谷秀清相馬市長からの挨拶


「HIKOBAE」のオープニングシーン


劇中に登場する医師・看護師


終演後ミギロ副事務総長を紹介する西田大使


出演者全員を前に挨拶をするミギロ副事務総長


各国外交官と歓談する塩屋俊氏(「HIKOBAE」エグゼクテブ・

プロデューサー)


レセプションで懇談する立谷相馬市長


終演後に観客に挨拶する阪上和子さん

(「HIKOBAE」出演女優)

趣里さん、中上五月さん(「HIKOBAE」出演女優)と西田大使