2003年

 
 

総会第4委員会における議題86「情報に関連した問題」に関して垂井二等書記官の演説

2003年10月28日

議長、

まずはじめに、タルール広報局長の行った包括的なステートメントを評価します。また、議題86「情報に関連した問題」に関して用意された文書について事務局に感謝します。

我々は、事務総長が既に採択されている関連決議や決定に則りつつ、自らの権限のみで改革できる事項について迅速に実行されることをエンカレッジします。この点に関して、日本は昨年来の広報局の改革と広報活動の効率化のために実施された具体的な取組を評価します。

本日は、国連の広報活動に関する事務総長の改革と強化案についていくつかコメントを申し述べます。

第1に、UNICのハブ化という考え方自体は効率化、経費削減の観点から妥当と考えます。この点について、最近、国連強化に関する事務総長報告(A/57/387)に沿って広報局が具体的に行った努力を評価します。

東京UNICを重視する姿勢は、東京UNICの為にわが国が国連広報局へ行っている支援にも反映されています。わが国は、東京UNICの広報活動事業費として、年間20万ドルを拠出してきました。東京UNICへの支援を含む国連広報局に対する過去5年間の支援総額は、200万ドルを上回ります。

事務総長は、事務総長報告(A/AC.198/2003/2)に添付されている「国連広報センターの地域化のためのガイドラインと基準」を用い更なる地域化を進めるよう提案していると承知します。この関係で、単にUNIC施設の無償供与がなされるか否かだけでなく、特に事業活動費に対する支援を含めたホスト国よりの支援全体が「ガイドラインと基準」に反映されるべきものと考えます。このことから、わが国は「ガイドライン」の修正を提案いたします。

第2に言語について申し述べます。総会決議(A/RES/57/130)にあるように現地語で行う広報が最も住民へ強いインパクトを与えます。実際、日本の一般大衆が国連の活動をよりよく理解する上で、日本語で情報を発信しているUNIC東京が果たしている役割は大変大きいと感じています。このようなことから広報局は引き続き様々な現地の言語での広報活動を継続すべきでしょう。

国連公用語でのウェッブサイトの改善については、実際の需要に応じた効率的なリソース配分を行い、現在のDPIのキャパシティの中で達成するよう努力を継続すべきでしょう。

最後に、10月1日、第3回アフリカ開発会議(TICADIII)が成功裡に終了しました。TICADプロセスは今年10年目を迎えますが、これはアフリカ開発に関する日本の強いコミットメントを示すものです。我々は、国際社会がアフリカに対する援助疲れに苦しんでいた正にそのとき、アフリカ支援の必要性を強調していたことを誇りに思います。TICADIIIの結果が、アフリカ開発のための更なる重要なモメンタムとなることを希望します。この立場から、日本は、国連がアフリカの開発を推進するための重要な役割を担っており、アフリカ開発支援に関する広報活動を強化することが求められている、という事務総長の考えに全く賛同します。

広報局のこの方向に向けた取組に対する具体的な支援として、日本はTICADIIIへ広報局の「アフリカ・リカヴァリ」誌の記者を招待しました。アフリカ開発問題についての一般大衆のより大きな関心と意識を喚起するために、わが国は今後とも国連と協力していきたいと考えます。

事務総長の提案する改革の実行を通して、国連が世界の人々により近い存在になることを期待します。

有り難うございました。

   
法令外国語訳 外交政策Q&A  

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2003年

 
 

総会第4委員会における議題86「情報に関連した問題」に関して垂井二等書記官の演説

2003年10月28日

議長、

まずはじめに、タルール広報局長の行った包括的なステートメントを評価します。また、議題86「情報に関連した問題」に関して用意された文書について事務局に感謝します。

我々は、事務総長が既に採択されている関連決議や決定に則りつつ、自らの権限のみで改革できる事項について迅速に実行されることをエンカレッジします。この点に関して、日本は昨年来の広報局の改革と広報活動の効率化のために実施された具体的な取組を評価します。

本日は、国連の広報活動に関する事務総長の改革と強化案についていくつかコメントを申し述べます。

第1に、UNICのハブ化という考え方自体は効率化、経費削減の観点から妥当と考えます。この点について、最近、国連強化に関する事務総長報告(A/57/387)に沿って広報局が具体的に行った努力を評価します。

東京UNICを重視する姿勢は、東京UNICの為にわが国が国連広報局へ行っている支援にも反映されています。わが国は、東京UNICの広報活動事業費として、年間20万ドルを拠出してきました。東京UNICへの支援を含む国連広報局に対する過去5年間の支援総額は、200万ドルを上回ります。

事務総長は、事務総長報告(A/AC.198/2003/2)に添付されている「国連広報センターの地域化のためのガイドラインと基準」を用い更なる地域化を進めるよう提案していると承知します。この関係で、単にUNIC施設の無償供与がなされるか否かだけでなく、特に事業活動費に対する支援を含めたホスト国よりの支援全体が「ガイドラインと基準」に反映されるべきものと考えます。このことから、わが国は「ガイドライン」の修正を提案いたします。

第2に言語について申し述べます。総会決議(A/RES/57/130)にあるように現地語で行う広報が最も住民へ強いインパクトを与えます。実際、日本の一般大衆が国連の活動をよりよく理解する上で、日本語で情報を発信しているUNIC東京が果たしている役割は大変大きいと感じています。このようなことから広報局は引き続き様々な現地の言語での広報活動を継続すべきでしょう。

国連公用語でのウェッブサイトの改善については、実際の需要に応じた効率的なリソース配分を行い、現在のDPIのキャパシティの中で達成するよう努力を継続すべきでしょう。

最後に、10月1日、第3回アフリカ開発会議(TICADIII)が成功裡に終了しました。TICADプロセスは今年10年目を迎えますが、これはアフリカ開発に関する日本の強いコミットメントを示すものです。我々は、国際社会がアフリカに対する援助疲れに苦しんでいた正にそのとき、アフリカ支援の必要性を強調していたことを誇りに思います。TICADIIIの結果が、アフリカ開発のための更なる重要なモメンタムとなることを希望します。この立場から、日本は、国連がアフリカの開発を推進するための重要な役割を担っており、アフリカ開発支援に関する広報活動を強化することが求められている、という事務総長の考えに全く賛同します。

広報局のこの方向に向けた取組に対する具体的な支援として、日本はTICADIIIへ広報局の「アフリカ・リカヴァリ」誌の記者を招待しました。アフリカ開発問題についての一般大衆のより大きな関心と意識を喚起するために、わが国は今後とも国連と協力していきたいと考えます。

事務総長の提案する改革の実行を通して、国連が世界の人々により近い存在になることを期待します。

有り難うございました。