2002年

 
 

安保理公開会合におけるテロ行為による国際の平和と安全に対する脅威に関する佐藤大使のステートメント

平成14年4月15日

議長、

昨年9月11日の憎むべきテロ攻撃以来、国際協力を通じてテロとの闘いに有意義な前進が遂げられました。この前進は勇気づけられるものです、しかしこの闘いはまだ始まったばかりであり、すべての加盟国がテロリズムの撲滅というわれわれの共通の目標を達成するための協力的な努力を強化することが緊要です。

その意味で、テロ対策委員会(CTC)の重要性、とくに、関係国のテロ対策能力を高めるための活動の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはありません。したがって私は、ジェレミー・グリーンストック議長及びCTCビューローのその他のメンバーに対して、これらの人々がこの重要な委員会の活動のために払われてきた多大な努力について最大限の敬意を表したいと思います。この人達のおかげで、CTCはすでに成果をあげる存在になっています。

議長、

小泉純一郎総理大臣は9月11日の攻撃の直後に、日本政府がテロリズムとの闘いを自らの責任に係る課題ととらえ、その闘いに積極的に取り組む決意であることを明確にしました。安保理決議1373の完全実施はそのような日本政府の努力の中心的な課題です。

日本政府はとくに、資産が凍結される前に資金を回収する可能性をテロリストから奪うために、安保理事会が決定したテロ対策措置を迅速に実施することに高い優先順位を付しています。安保理決議1267、1333及び11390に基づいてタリバーン及びアル・カーイダ関係の個人及び組織の資産凍結を実施するにあたっても日本政府は、制裁委員会が資産凍結リストへ個人または組織を追加することを決定するのとほぼ時を同じくして、その資産を凍結するために必要な措置をとってきています。

われわれがそのような迅速な措置をとることを可能にする上で、制裁委員会から与えられる支援は極めて重要です。そこで私はこの機会に、制裁委員会の議長であるアルフォンソ・ヴァルディヴィエソ大使に対してその協力について謝意を表したいと思います。

さらに日本政府は、安保理決議1373の実施を徹底することを確保し、併せて、テロ資金供与防止条約の批准を可能にするために、所要の法案を国会に提出済みであり、国会の承認を得られ次第同条約を締結する予定です。これにより日本は、テロ防止関連12条約すべての批准を完了することになります。

議長、

われわれはCTCが安保理決議1373の実施について加盟国から提出された報告の審査を精力的に行っていることを高く評価しています。それだけに、CTCに未だ報告を提出していない国に対して早く報告を提出するよう呼びかけることが重要です。

この関連で日本政府は、多くの国がその意思にもかかわらず、実行する能力を欠いているために報告を提出出来ないでいることは深刻な問題だと考ています。そこでわれわれはCTCに対して、これらの国々を支援するためになされるべきことを早急に検討するよう要請します。

安保理決議1373の全世界的な実施を確保するためには、途上国に対する支援が不可欠であり、支援を必要とする国とそれらの国が支援を必要としている分野をCTCが特定することができれば、そのような支援をよりよく組織されたものとすることが出来ます。そのような措置は、支援国と被支援国の間の協力を円滑にし、途上国による安保理決議1373の実施をさらに推進することになるでしょう。このような観点からわれわれは、これからの活動を安保理決議1373の実施について困難に直面している国々に焦点をあてたものにしていくとのCTCの方針を支持します。

この関連で、既に限られた形で存在するCTCの支援ディレクトリーを充実させることがとくに重要です。このためにわれわれは、支援を提供する能力を有する国々に対して、出来るだけ早くそれぞれの支援プログラムをCTCディレクトリーに登録するよう呼びかけなければなりません。日本政府は既に、自国の技術支援訓練プログラムを登録済みであり、2002年にこれらのプログラムに受入れる訓練対象者の人数を倍増させることを決定しています。

議長、

日本政府は、安保理決議1373の完全実施を促進するために地域機関その他の国際フォーラムとの協力を活用するとのCTCの方針を支持します。日本政府としても、自国が参加する地域機関その他のフォーラムがCTCとの協力を拡大するように努力します。

最後に私は、今こそすべての加盟国が、テロと闘うというわれわれの共通の約束を再確認し、CTCがこれまでに達成した成功の基礎の上にたってその重要な職務を継続できるようにするために、この委員会を支援するわれわれの決意を新たにすべき時であることを強調したいと思います。

CTCがこれから取り組む課題はこの委員会が当初の期間に直面したものよりもはるかに難しいものとなります。このような認識にたって日本政府は今後とも、CTCを支援するために最大限の努力をする決意です。

有り難うございました。

   
国語訳" width="142" height="70"> 外交政策Q&A  
(c) Permanent Mission of Japan to the United Nations
866 United Nations Plaza, New York, NY 10017
Tel: 212-223-4300

2002年

 
 

安保理公開会合におけるテロ行為による国際の平和と安全に対する脅威に関する佐藤大使のステートメント

平成14年4月15日

議長、

昨年9月11日の憎むべきテロ攻撃以来、国際協力を通じてテロとの闘いに有意義な前進が遂げられました。この前進は勇気づけられるものです、しかしこの闘いはまだ始まったばかりであり、すべての加盟国がテロリズムの撲滅というわれわれの共通の目標を達成するための協力的な努力を強化することが緊要です。

その意味で、テロ対策委員会(CTC)の重要性、とくに、関係国のテロ対策能力を高めるための活動の重要性はいくら強調しても強調しすぎることはありません。したがって私は、ジェレミー・グリーンストック議長及びCTCビューローのその他のメンバーに対して、これらの人々がこの重要な委員会の活動のために払われてきた多大な努力について最大限の敬意を表したいと思います。この人達のおかげで、CTCはすでに成果をあげる存在になっています。

議長、

小泉純一郎総理大臣は9月11日の攻撃の直後に、日本政府がテロリズムとの闘いを自らの責任に係る課題ととらえ、その闘いに積極的に取り組む決意であることを明確にしました。安保理決議1373の完全実施はそのような日本政府の努力の中心的な課題です。

日本政府はとくに、資産が凍結される前に資金を回収する可能性をテロリストから奪うために、安保理事会が決定したテロ対策措置を迅速に実施することに高い優先順位を付しています。安保理決議1267、1333及び11390に基づいてタリバーン及びアル・カーイダ関係の個人及び組織の資産凍結を実施するにあたっても日本政府は、制裁委員会が資産凍結リストへ個人または組織を追加することを決定するのとほぼ時を同じくして、その資産を凍結するために必要な措置をとってきています。

われわれがそのような迅速な措置をとることを可能にする上で、制裁委員会から与えられる支援は極めて重要です。そこで私はこの機会に、制裁委員会の議長であるアルフォンソ・ヴァルディヴィエソ大使に対してその協力について謝意を表したいと思います。

さらに日本政府は、安保理決議1373の実施を徹底することを確保し、併せて、テロ資金供与防止条約の批准を可能にするために、所要の法案を国会に提出済みであり、国会の承認を得られ次第同条約を締結する予定です。これにより日本は、テロ防止関連12条約すべての批准を完了することになります。

議長、

われわれはCTCが安保理決議1373の実施について加盟国から提出された報告の審査を精力的に行っていることを高く評価しています。それだけに、CTCに未だ報告を提出していない国に対して早く報告を提出するよう呼びかけることが重要です。

この関連で日本政府は、多くの国がその意思にもかかわらず、実行する能力を欠いているために報告を提出出来ないでいることは深刻な問題だと考ています。そこでわれわれはCTCに対して、これらの国々を支援するためになされるべきことを早急に検討するよう要請します。

安保理決議1373の全世界的な実施を確保するためには、途上国に対する支援が不可欠であり、支援を必要とする国とそれらの国が支援を必要としている分野をCTCが特定することができれば、そのような支援をよりよく組織されたものとすることが出来ます。そのような措置は、支援国と被支援国の間の協力を円滑にし、途上国による安保理決議1373の実施をさらに推進することになるでしょう。このような観点からわれわれは、これからの活動を安保理決議1373の実施について困難に直面している国々に焦点をあてたものにしていくとのCTCの方針を支持します。

この関連で、既に限られた形で存在するCTCの支援ディレクトリーを充実させることがとくに重要です。このためにわれわれは、支援を提供する能力を有する国々に対して、出来るだけ早くそれぞれの支援プログラムをCTCディレクトリーに登録するよう呼びかけなければなりません。日本政府は既に、自国の技術支援訓練プログラムを登録済みであり、2002年にこれらのプログラムに受入れる訓練対象者の人数を倍増させることを決定しています。

議長、

日本政府は、安保理決議1373の完全実施を促進するために地域機関その他の国際フォーラムとの協力を活用するとのCTCの方針を支持します。日本政府としても、自国が参加する地域機関その他のフォーラムがCTCとの協力を拡大するように努力します。

最後に私は、今こそすべての加盟国が、テロと闘うというわれわれの共通の約束を再確認し、CTCがこれまでに達成した成功の基礎の上にたってその重要な職務を継続できるようにするために、この委員会を支援するわれわれの決意を新たにすべき時であることを強調したいと思います。

CTCがこれから取り組む課題はこの委員会が当初の期間に直面したものよりもはるかに難しいものとなります。このような認識にたって日本政府は今後とも、CTCを支援するために最大限の努力をする決意です。

有り難うございました。