2003年

 
 

第25回情報委員会における齋賀大使演説

平成15年4月30日

議長、

まずはじめに、この度のチャウダリー・バングラディッシュ常駐代表の議長への就任をお祝い申し上げます。貴議長の指導の下で今期の作業が効率よく進むものと確信しております。今会期を通じ、我が国代表団は貴議長及びビューローに完全に協力致します。

また一昨日、シャシー・タルール広報担当事務次長が行ったとても包括的で政策志向のプレゼンテーションを評価致します。更に、本委員会に対するアナン事務総長の用意されたレポートは、昨年12月に総会で採択された国連改革に関する決議(57/300)に沿った内容であり、今次審議に有益なたたき台を提供するものと確信します。

議長、

まず私は、事務総長の広報分野での国連活動の改革と強化に対する我が国の見解と期待を申し述べます。

第一に、事務総長が既に採択されている関連決議や決定に則りつつ、自らの権限のみで改革できる事項について、迅速に実行されることをエンカレッジします。この点に関しては、広報局の再編や国連図書館のサービス向上等に向けた、ここ数ヶ月の具体的な取組を評価します。

第二に、対策が導入された後に、我々加盟国が実施のプロセスを適切且つ時宜に適った方法でフォローアップし、成果を検証するべきと考えます。

議長、

次に私は報告書の幾つかの分野について見解を申し述べます。

第一に、UNICのハブ化という考え方自体は効率化、経費削減の観点から歓迎します。他方、ハブ化につき全体的な検討を進める上では、既存のUNICを廃止する上で失われるメリットと、新たに強化される広報局の活動との間で比較衡量が行われ、その適切なバランスを見いだすことも重要と考えます。

東京UNICは、国連が日本語で情報発信する唯一の組織であって、わが国国民の国連諸活動の重要性に対する理解を深める上で極めて重要な役割を果たしています。国連本部のウェブサイトは日本語での情報提供を行っておらず、東京UNICが提供する日本語のウェブサイト、日本語出版物、そしてそこで行われる各種行事が日本人にとって国連に関する貴重な情報源になっています。

日本は米に次ぐ第二の分担金支払い国であるとともに、多くの国連機関の主要出資国ですが、これは税負担者たる国民の国連に対する支持と理解があってこそ可能なのです。このように東京UNICは我が国にとっても、国連自身にとっても極めて重要な東アジアの広報拠点であると考えます。

東京UNICを重視する姿勢は、東京UNICの為にわが国が国連広報局へ行っている支援にも反映されています。わが国は、東京UNICの広報活動事業費として、年間20万ドルを拠出してきました。東京UNICへの支援を含む国連広報局に対する過去5年間の支援総額は、広報局による途上国のジャーナリスト及び放送関係者のためのトレーニング・プログラムに対する支援も含め、200万ドルを上回ります。今後も東京UNIC及び国連広報局の実施する各種事業の重要性に鑑み、有益なプロジェクトに対しては、引き続き支援していく考えです。

この関係で事務総長報告書に記載されているハブ化の検討「カイドライン」には、単にUNIC施設の無償供与がなされるか否かだけでなく、特に事業活動費に対する支援を含めたホスト国よりの支援全体が考慮に入れられるべきものと考えます。このようなことから、わが国は「ガイドライン」の修正を提案いたします。

第二に、言語について申し述べます。総会決議(A/RES/57/130)にあるように現地語で行う広報が最も住民へ強いインパクトを与えますので、広報局は引き続き様々な言語での広報活動を継続すべきでしょう。

国連公用語でのウェッブサイトの改善については、実際の需要に応じた効率的なリソース配分を行い、現在のDPIのキャパシティの中で達成するよう努力を継続すべきでしょう。

第三に、アフリカの開発問題に関しては、事務総長の報告書「広報局の04年及び05年度予算案」にあるように、国連はアフリカの開発を推進するための重要な役割を担っており、その為に広報局はアフリカ開発支援に関する広報活動を強化することが求められています。

この点に関し、わが国は、本年9月末に国連との共催で、TICADIIIを開催します。2004年以降もサブスタンスはもちろんのこと、そのフォローアップとして、アフリカ開発支援についての一般大衆のより大きな関心と支援を喚起するために、広報面でも引き続き国連と協力していきたいと考えます。

最後に、国連ホームページについて申し述べます。今回の会合を前にして、NY在住の邦人ジャーナリストの広報局のサービスに関する意見を聞いてみました。そのほとんどが、国連ホームページ(英文)の改善について、一般の関心の高い問題に関する時宜を得た情報の掲載、検索機能の強化、及び事務総長外遊時の迅速な情報提供についての改善要望でした。

議長、

我々の国連を改革するための努力は、広報分野でも実効性と効率性を高めるものとならなければなりません。我が国は、この目的を実現するため、国連ならびに加盟国と協力していく決意を確認します。

ありがとうございました。

   
 

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Tel: 212-223-4300

 

2003年

 
 

第25回情報委員会における齋賀大使演説

平成15年4月30日

議長、

まずはじめに、この度のチャウダリー・バングラディッシュ常駐代表の議長への就任をお祝い申し上げます。貴議長の指導の下で今期の作業が効率よく進むものと確信しております。今会期を通じ、我が国代表団は貴議長及びビューローに完全に協力致します。

また一昨日、シャシー・タルール広報担当事務次長が行ったとても包括的で政策志向のプレゼンテーションを評価致します。更に、本委員会に対するアナン事務総長の用意されたレポートは、昨年12月に総会で採択された国連改革に関する決議(57/300)に沿った内容であり、今次審議に有益なたたき台を提供するものと確信します。

議長、

まず私は、事務総長の広報分野での国連活動の改革と強化に対する我が国の見解と期待を申し述べます。

第一に、事務総長が既に採択されている関連決議や決定に則りつつ、自らの権限のみで改革できる事項について、迅速に実行されることをエンカレッジします。この点に関しては、広報局の再編や国連図書館のサービス向上等に向けた、ここ数ヶ月の具体的な取組を評価します。

第二に、対策が導入された後に、我々加盟国が実施のプロセスを適切且つ時宜に適った方法でフォローアップし、成果を検証するべきと考えます。

議長、

次に私は報告書の幾つかの分野について見解を申し述べます。

第一に、UNICのハブ化という考え方自体は効率化、経費削減の観点から歓迎します。他方、ハブ化につき全体的な検討を進める上では、既存のUNICを廃止する上で失われるメリットと、新たに強化される広報局の活動との間で比較衡量が行われ、その適切なバランスを見いだすことも重要と考えます。

東京UNICは、国連が日本語で情報発信する唯一の組織であって、わが国国民の国連諸活動の重要性に対する理解を深める上で極めて重要な役割を果たしています。国連本部のウェブサイトは日本語での情報提供を行っておらず、東京UNICが提供する日本語のウェブサイト、日本語出版物、そしてそこで行われる各種行事が日本人にとって国連に関する貴重な情報源になっています。

日本は米に次ぐ第二の分担金支払い国であるとともに、多くの国連機関の主要出資国ですが、これは税負担者たる国民の国連に対する支持と理解があってこそ可能なのです。このように東京UNICは我が国にとっても、国連自身にとっても極めて重要な東アジアの広報拠点であると考えます。

東京UNICを重視する姿勢は、東京UNICの為にわが国が国連広報局へ行っている支援にも反映されています。わが国は、東京UNICの広報活動事業費として、年間20万ドルを拠出してきました。東京UNICへの支援を含む国連広報局に対する過去5年間の支援総額は、広報局による途上国のジャーナリスト及び放送関係者のためのトレーニング・プログラムに対する支援も含め、200万ドルを上回ります。今後も東京UNIC及び国連広報局の実施する各種事業の重要性に鑑み、有益なプロジェクトに対しては、引き続き支援していく考えです。

この関係で事務総長報告書に記載されているハブ化の検討「カイドライン」には、単にUNIC施設の無償供与がなされるか否かだけでなく、特に事業活動費に対する支援を含めたホスト国よりの支援全体が考慮に入れられるべきものと考えます。このようなことから、わが国は「ガイドライン」の修正を提案いたします。

第二に、言語について申し述べます。総会決議(A/RES/57/130)にあるように現地語で行う広報が最も住民へ強いインパクトを与えますので、広報局は引き続き様々な言語での広報活動を継続すべきでしょう。

国連公用語でのウェッブサイトの改善については、実際の需要に応じた効率的なリソース配分を行い、現在のDPIのキャパシティの中で達成するよう努力を継続すべきでしょう。

第三に、アフリカの開発問題に関しては、事務総長の報告書「広報局の04年及び05年度予算案」にあるように、国連はアフリカの開発を推進するための重要な役割を担っており、その為に広報局はアフリカ開発支援に関する広報活動を強化することが求められています。

この点に関し、わが国は、本年9月末に国連との共催で、TICADIIIを開催します。2004年以降もサブスタンスはもちろんのこと、そのフォローアップとして、アフリカ開発支援についての一般大衆のより大きな関心と支援を喚起するために、広報面でも引き続き国連と協力していきたいと考えます。

最後に、国連ホームページについて申し述べます。今回の会合を前にして、NY在住の邦人ジャーナリストの広報局のサービスに関する意見を聞いてみました。そのほとんどが、国連ホームページ(英文)の改善について、一般の関心の高い問題に関する時宜を得た情報の掲載、検索機能の強化、及び事務総長外遊時の迅速な情報提供についての改善要望でした。

議長、

我々の国連を改革するための努力は、広報分野でも実効性と効率性を高めるものとならなければなりません。我が国は、この目的を実現するため、国連ならびに加盟国と協力していく決意を確認します。

ありがとうございました。