安全保障理事会 決議1325「女性、平和、安全」に関する公開会合
2003年10月29日
議長、
まず初めに、安保理決議1325「女性、平和、安全」採択の三周年記念に、本会合を開催して下さった安保理議長ネグロポンテ大使に対し、多大な感謝を表したいと思います。ジャン=マリー・ゲエノPKO局長、及び、エイミー・スマイスMONUC上級ジェンダー・アドバイザーに対しても、本決議履行の努力に関する洞察力に満ちた発表に感謝致します。
議長、
国際社会の、従って国連の最終的な目標は、紛争のない世界を創ることであります。3年前に本決議案を採択したことによって、安保理は、平和構築・平和維持プロセスにおいて女性及び女児が果たす重要な役割を完全に認識するという賢明さを示しました。紛争予防及び紛争後の平和構築という分野で最大限の努力している国として、日本は本決議案を完全に支持し、これを履行するための努力を強化していく所存です。さらに、女性のエンパワメントは、平和と安全を強化する重要な要素の一つであることを認識致します。
議長、
この関連で、日本がこれまでに踏み出した、控えめではありますが実際的なステップについて紹介させて下さい。タリバン政権下のアフガニスタンにおいて、女性には教育や家庭外での仕事へのアクセスが与えられていなかったということが、我々の記憶にあります。日本は、アフガニスタンのような復興プロセスにある国のためには、女性の参加が絶対的に不可欠であると確信しており、従って、日本のアフガニスタン復興・人道支援プログラムの全側面においてジェンダーの視点を取り入れています。例えば、日本国際協力機構(JICA)が女性問題省、女子学校・大学復旧分野、及び医療分野へジェンダー専門家を派遣しました。また、日本は、「人間の安全保障基金」を通じてUNIFEMに対して支援を提供しています。この支援は、アフガニスタンの女性難民及び避難民に対する職業訓練、セミナー開催、所得創出プログラムの資金を手当てするものです。我々は、このようなプログラムが女性及び女児のエンパワーを助け、彼女達に対して紛争後の社会でより積極的な役割を担うよう奨励するものであると信じています。
議長、
日本の努力についてもう一例紹介させて下さい。昨年2月、日本政府は、陸上自衛隊施設部隊680名、司令部要員10名の東チモール国際平和協力隊員を国連平和維持部隊に派遣することを決定し、この大規模なPKO部隊に史上初めて女性隊員を送り込みました。7人という小さな数ではありますが、我々は意義あるものと信じております。日本は、国連のフィールド・オペレーションにおける女性の役割と貢献が拡大され、全てのレベルにおいて女性の参加が拡大される必要性について認識しております。
議長、
三周年を機に、我が代表団の本決議の履行に対するコミットメントをここに再確認致します。また、我が代表団は紛争下の女性及び女児の人権侵害を非難します。
我々は、女性が男性とは違うかたちで紛争を経験するということを知っております。紛争の状況下では、女性は夫を失ったことを嘆く未亡人であり、失われた子どもを悼む母親であり、彼女たちの性を標的にした暴力の犠牲者であることが多いといえます。しかしながら、今日、紛争における女性の役割は様々な面で変化しており、より多くの女性がどのように紛争解決に参加するかについて発言権を有するようになっています。より多くの女性が、非軍事的支援に参加するだけではなく、彼女らが望むならば平和構築者として参加することさえできるようになっているのです。
このような多様な役割を担う女性及び女児の、変化するニーズ及びプライオリティに対して効果的に対応するためには、平和と安全に関連する全ての活動にジェンダーの視点がシステマティックに統合されなければなりません。日本は、安保理、加盟国、国連システム全体(本問題に責任ある事務局内の事務所を含む)、NGO及び市民社会が一丸となって、本決議の勧告を完全に、そしてシステマティックに履行するように全力を尽くさなければなりません。
議長、今回の議論が、平和で安全な世界を築くという目標を達成するという、国際社会の固い決意の表明となることを祈り、締め括らせて頂きます。
有り難うございました。
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