「テロ行為等による国際の平和と安全に対する脅威」に関する安保理公開会合における 大島国連常駐代表による演説(仮訳)
2005年1月18日 国際連合日本政府代表部
議長、
まず、本日のデニゾフ・テロ対策委員会(CTC)議長の活動報告及び同議長のリーダーシップの下CTCによって進められてきた賞賛すべき活動に謝意を述べたいと思います。我が国は、これまで関心国としてCTCの活動に協力してきました。我が国としては、今月から本委員会のメンバー国として、一層積極的に本委員会の活動に関わることが可能となり、CTCが国際社会の期待に応え、各国のテロ対策のレベルアップを通じてCTCが国際社会の期待に応えられるよう全力を挙げて協力していきたいと考えます。
議長、
我が国は、デニゾフCTC議長より言及のあった本年第一・四半期の活動計画(第十四・四半期活動計画)を支持します。我が国としては、特に今後CTCが取り組むべき活動に関し、次の三点に焦点を当てて簡潔に述べたいと思います。
第一に、我が国は今月末にカザフスタン・アルマティ市において開催されるCTCと国際・地域及び準地域機関との第四回特別会合が、CTCとこれら諸機関との更なる緊密な関係構築につながることを期待します。我が国は本件特別会合に当地代表部員の派遣を含め参加します。CTCが安保理決議一三七三及び他の関連安保理決議の完全な履行を促進していくために、テロ対策に取り組む多くの国際、地域及び準地域機関と対話を深め、極力していくことは決定的に重要です。対テロ活動の諸分野に携わる関係機関の間で、それぞれの努力における重複や作業に隙間が生じることを避けることも必要です。この関連で、安保理決議一五六六及び最新の活動計画においても言及のあるテロ資金対策面におけるベスト・プラクティス集をCTCがまとめる作業は、本件特別会合にも参加する関係諸機関の協力も得ながら行っていくものです。我が国としては、CTCがこの作業をまずテロ資金対策面から始め、テロ対策の他分野にも順次広げていくことが適切であると考えます。
第二は、安保理決議一五六六においてもCTCの優先事項とされている外国訪問の重要性です。我が国は訪問計画を歓迎する一方で、CTCやCTEDとして訪問できる国数には限界があることも理解しています。そのような事情があることから、CTC及びCTEDによる外国訪問は、当該訪問国独自の事情のみならず、得られた情報や経験の共有を通じて訪問を受けない国にも情報を提供し利益をもたらすようにすべきと考えます。このようにすることで訪問を受けない国がそのテロ対策における能力向上に払っている努力を支援するために役立つのではないかと考えます。同様に、外国訪問後、当該訪問の成果、訪問に対するCTCの見解及び各国の支援ニーズの評価に関わる情報について、可能な限り関心ある加盟国にも共有されることを期待します。
第三は、今四半期中に立ち上がるCTEDの分析作業への期待です。我が国としては、CTEDの新しい専門家チームが加盟国の技術支援ニーズに関する包括的な分析、見解及び要すれば提言をまとめた報告をいずれCTCに提出していただけるよう希望します。他の関係諸機関の専門家等との意見交換も踏まえながら、新チームにはCTCとして一層力を入れて側面支援していくべき地域や国についての見解をCTCに対して出していただきたいと考えます。
議長、
国際社会はこれまで未曾有のテロ行為を通じて語り尽くせない悲劇と苦痛を経験してきました。CTCとしてはテロの被害者の払った犠牲がどれほど悲劇的であったに関わらず無駄にしてはなりません。その意味でCTCの責任は重く、CTCがテロによる被害を未然に防止し根絶させるための最善策を追求するため確固たる決意を持って活動を進めることを国際社会は期待しています。そのためには、引き続き対タリバーン、アル・カーイダ制裁委員会や安保理決議一五四〇委員会等と引き続き完全に協力していくことを期待しています。
最後に、デニゾフCTC議長の揺るぎない強力な指導力とCTC専門家及び事務局のメンバー、ルペレズCTED事務局長とそのスタッフ、CTC専門家及びCTC事務局の尽力に対する謝意と表します。我が国はこの重要な委員会における活動に対し引き続き全面的に協力していきますことを約束します。
有り難うございました。 (了)
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