2005年

 
 

テロ行為による国際の平和と安全に対する脅威に関する安保理公開会合における本村大使演説

平成15年4月4日

議長、

本日の会合を開催いただきありがとうございます。

まずはじめに、テロ対策委員会(CTC)議長職を去られることになるジェレミー・グリーンストック大使及びそのスタッフに対し、委員会の設置以来なされてきた素晴らしい作業について深甚なる謝意を表したいと思います。国際社会は、9月11日の攻撃以降テロとの闘いにおけるその献身的なリーダーシップに恩義があります。同時に、新議長となられるイノチェンシオ・アリアス大使に対しお祝い申し上げるとともに、その指導の下でCTCがテロとの闘いにおいて引き続き効果的に作業されるものと確信します。

議長、

日本は、テロとの闘いにおいて次の三要素の重要性を引き続き強調致します。

第一に、潜在的なテロリストにテロ活動を実施するための手段を与えないようにしなければなりません。すなわち、我々は資金源を断ち、テロリストへの武器流出を食い止めるための厳格な措置をとらなければなりません。特に、その巨大な破壊力にかんがみ、大量破壊兵器がテロリストの手に渡ることを防止するため、厳格な不拡散措置が不可欠です。我々は、CTCに対し、他の関連の国際機関と協力しつつ、この分野に相応の配慮を行うよう求めます。CTCと安保理決議1267に従って設置された委員会との間の調整の強化も重要です。同委員会は、議長であるチリのフアン・ガブリエル・バルデス大使のリーダーシップの下でこの関連で素晴らしい前進を達成しました。しかしながら、1267委員会の統一リストに含まれる情報は、加盟国が疑わしい資産及び口座をよりよく特定できるよう一層充実させる必要があることも指摘したいと考えます。

第二に、テロリストに安住の地を与えてはなりません。テロを防止し及びテロと闘うためには、国際社会が協調して行動し、一体となって措置を実施する必要があります。テロ防止関連条約は、このために重要な役割を果たしています。我々は、加盟国に対しこれらの条約及び議定書に加入するよう奨励するCTCの取り組みを評価するとともに、この目的のため、関連の国際機関の専門的知見も動員されるよう求めます。先月開催されたCTCの特別会合は、関連の国際機関の基準、規則及びベスト・プラクティスに関する情報を共有する絶好の機会となりました。テロ防止関連12条約すべての締約国として、日本は、自国の経験に基づき、これらの条約の締結に関し、法的問題を含む問題の解決のため、情報及び支援を提供する用意があります。

第三に、テロ行為に対する脆弱性を克服しなければなりません。  テロリストは、当然にソフト・ターゲットをねらっており、それは国内の治安対策が以前にも増して重要となっていることを意味します。CTCは、各国のキャパシティ・ビルディングの努力に引き続き焦点を当てなければならず、ドナー社会は、CTCの活動に対する支持を強化すべきです。

議長、

テロリストは、当然にソフト・ターゲットをねらっており、それは国内の治安対策が以前にも増して重要となっていることを意味します。CTCは、各国のキャパシティ・ビルディングの努力に引き続き焦点を当てなければならず、ドナー社会は、CTCの活動に対する支持を強化すべきです。

議長、

国際テロは文明の衝突から生ずるものでは決してないことを強調します。それは、常に、シニシズム、虚無主義、無政府主義から生まれる、文明社会に対する野蛮な攻撃です。テロは世界の安定とすべての人々の生活に脅威を与えます。過激なテロリスト集団に共感する者は、テロリズムが我々皆が共有する価値に相反するものであることを認識すべきです。この真実を周知することにより我々はテロリズムに対する脆弱性の克服に貢献することができると信じます。

議長、どうもありがとうございました。

   
法令外国語訳 外交政策Q&A  
(c) Permanent Mission of Japan to the United Nations
866 United Nations Plaza, New York, NY 10017
Tel: 212-223-4300

2005年

 
 

テロ行為による国際の平和と安全に対する脅威に関する安保理公開会合における本村大使演説

平成15年4月4日

議長、

本日の会合を開催いただきありがとうございます。

まずはじめに、テロ対策委員会(CTC)議長職を去られることになるジェレミー・グリーンストック大使及びそのスタッフに対し、委員会の設置以来なされてきた素晴らしい作業について深甚なる謝意を表したいと思います。国際社会は、9月11日の攻撃以降テロとの闘いにおけるその献身的なリーダーシップに恩義があります。同時に、新議長となられるイノチェンシオ・アリアス大使に対しお祝い申し上げるとともに、その指導の下でCTCがテロとの闘いにおいて引き続き効果的に作業されるものと確信します。

議長、

日本は、テロとの闘いにおいて次の三要素の重要性を引き続き強調致します。

第一に、潜在的なテロリストにテロ活動を実施するための手段を与えないようにしなければなりません。すなわち、我々は資金源を断ち、テロリストへの武器流出を食い止めるための厳格な措置をとらなければなりません。特に、その巨大な破壊力にかんがみ、大量破壊兵器がテロリストの手に渡ることを防止するため、厳格な不拡散措置が不可欠です。我々は、CTCに対し、他の関連の国際機関と協力しつつ、この分野に相応の配慮を行うよう求めます。CTCと安保理決議1267に従って設置された委員会との間の調整の強化も重要です。同委員会は、議長であるチリのフアン・ガブリエル・バルデス大使のリーダーシップの下でこの関連で素晴らしい前進を達成しました。しかしながら、1267委員会の統一リストに含まれる情報は、加盟国が疑わしい資産及び口座をよりよく特定できるよう一層充実させる必要があることも指摘したいと考えます。

第二に、テロリストに安住の地を与えてはなりません。テロを防止し及びテロと闘うためには、国際社会が協調して行動し、一体となって措置を実施する必要があります。テロ防止関連条約は、このために重要な役割を果たしています。我々は、加盟国に対しこれらの条約及び議定書に加入するよう奨励するCTCの取り組みを評価するとともに、この目的のため、関連の国際機関の専門的知見も動員されるよう求めます。先月開催されたCTCの特別会合は、関連の国際機関の基準、規則及びベスト・プラクティスに関する情報を共有する絶好の機会となりました。テロ防止関連12条約すべての締約国として、日本は、自国の経験に基づき、これらの条約の締結に関し、法的問題を含む問題の解決のため、情報及び支援を提供する用意があります。

第三に、テロ行為に対する脆弱性を克服しなければなりません。  テロリストは、当然にソフト・ターゲットをねらっており、それは国内の治安対策が以前にも増して重要となっていることを意味します。CTCは、各国のキャパシティ・ビルディングの努力に引き続き焦点を当てなければならず、ドナー社会は、CTCの活動に対する支持を強化すべきです。

議長、

テロリストは、当然にソフト・ターゲットをねらっており、それは国内の治安対策が以前にも増して重要となっていることを意味します。CTCは、各国のキャパシティ・ビルディングの努力に引き続き焦点を当てなければならず、ドナー社会は、CTCの活動に対する支持を強化すべきです。

議長、

国際テロは文明の衝突から生ずるものでは決してないことを強調します。それは、常に、シニシズム、虚無主義、無政府主義から生まれる、文明社会に対する野蛮な攻撃です。テロは世界の安定とすべての人々の生活に脅威を与えます。過激なテロリスト集団に共感する者は、テロリズムが我々皆が共有する価値に相反するものであることを認識すべきです。この真実を周知することにより我々はテロリズムに対する脆弱性の克服に貢献することができると信じます。

議長、どうもありがとうございました。