2002年

 
 

経社理2002年実質会期人道セグメントにおける本村大使ステートメント(仮訳)

平成14年7月15日

議長、

このたび我々は国連システムの人道活動の指導原則と調整機構を定めた総会決議46/182の採択10周年を迎えました。日本政府は、国際社会は公平性、中立性を含むこれら重要な活動に従事するに当たってのこれらの指導原則を厳格に遵守しなければならないと信じます。

この10年にわたってこの調整機構は着実に改善されてきました。私は、日本政府を代表して、本件に関与して全ての方々の努力と献身に対し心からの感謝の意を表したいと思います。

日本政府は、こうした努力の記憶を組織的なものとしそこから教訓を引き出していくことが重要と考えています。このような理由から、私達は、国連人道問題調整事務所(OCHA)によるこの重要な決議を記念するパネルディスカッション開催や本の出版を支援しています。

議長、

以下、三つの点について触れたいと思います。

第一に、日本は、何世紀にもわたる地震や台風といった自然災害に対処した経験があることから、世界全体で毎年2億人が被害を受ける自然災害の問題を重視しています。私たちは、各国における災害対応の推進のための国連災害調査調整(UNDAC)チームへの、途上国、特にアジア・アフリカ地域からの参加拡大のための努力を支持します。この関連で、日本政府としてもUNDACへの参加に向け積極的に検討しているほか、今年度中にOCHAと協力してUNDACに参加する専門家の訓練を、数年前巨大地震に見舞われた神戸で実施する予定です。

日本政府は、国際捜索救助作業部会(INSARAG)における捜索救助に関するガイドラインを重視し現在行われているその見直し作業を歓迎します。また、捜索救助に関する次期総会での議論に活発に参加していく所存です。

自然災害の危険及びその影響を軽減するため、地域・国レベルの計画策定の際に自然災害危険調査を防災戦略に組み込んでいくべしとの事務総長の考え方に私たちは同意します。

第二に、議長、紛争下の文民の保護は、国際社会が取り組むべき最も重要な課題の一つであり、私たちは「保護の文化」推進の考え方に賛同します。このため私たちは本件についての地域ワークショップ開催に向けOCHAに対し協力を行っています。

日本政府は、全世界で5000万人を越える国内避難民(IDP)の状況に引き続き関心を寄せています。日本政府は、現在IDPユニットに財政支援を行っているほか、IDP問題事務総長代表への支援等の措置についても積極的に検討しています。

また、人道支援関係者が関わった性的搾取の疑いの問題に我々は重大な関心を寄せています。日本政府としては被害者の方々ができる限り早く必要な支援を受けることを希望するとともに、本件に関する人道機関間常任委員会(IASC)の作業を注視していく所存です。

第三に、議長、国際社会は、救援から開発への切れ目のない移行のためあらゆる努力を行うべきです。この関連で、日本政府は、アフガン内外の人道支援のニーズをまとめたドナー警報の発出の数ヶ月後に、アフガニスタン人のための緊急・移行支援計画(ITAP)が人道問題執行委員会(ECHA)及び国連開発グループ(UNDG)により作成されたことを高く評価します。また、我々は、移行を円滑に進めるための努力を推進するに当たり国際金融機関のより活発な参加が追求されるべしと信じます。

日本政府としては、「忘れられた危機」への対応を始め、人道活動のための資金を確保するべく最大限の努力を継続する所存です。一方で、より絞られた優先事項と現実的な資金調達水準に裏打ちされた現実的な戦略がこうしたドナーへのアピールの成功に不可欠です。

我々は、また、統一アピール過程(CAP)の強化に関しては、まずは共通人道行動計画(CAHP)作成に当たりNGOの更なる参加を求めるとともに、資金追跡システムの開発により人道危機にかかる資金全体の流れの把握を図ることが重要と考えます。

議長、

人道支援活動を支えるのは国際社会において共有された責任感です。これはこの人道セグメントにおいて全会一致で成果文書を採択することにより示すことができます。現地で弱い立場に置かれている人々、極めて厳しい条件の下勤務している人道要員のために行動がとられるべきです。議長、このための議長及びまとめ役の努力への日本政府の強い支持を表明して結びとさせて頂きます。

有り難うございました。

   
安全保障政策委員会"> 法令外国語訳 外交政策Q&A  
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Tel: 212-223-4300

2002年

 
 

経社理2002年実質会期人道セグメントにおける本村大使ステートメント(仮訳)

平成14年7月15日

議長、

このたび我々は国連システムの人道活動の指導原則と調整機構を定めた総会決議46/182の採択10周年を迎えました。日本政府は、国際社会は公平性、中立性を含むこれら重要な活動に従事するに当たってのこれらの指導原則を厳格に遵守しなければならないと信じます。

この10年にわたってこの調整機構は着実に改善されてきました。私は、日本政府を代表して、本件に関与して全ての方々の努力と献身に対し心からの感謝の意を表したいと思います。

日本政府は、こうした努力の記憶を組織的なものとしそこから教訓を引き出していくことが重要と考えています。このような理由から、私達は、国連人道問題調整事務所(OCHA)によるこの重要な決議を記念するパネルディスカッション開催や本の出版を支援しています。

議長、

以下、三つの点について触れたいと思います。

第一に、日本は、何世紀にもわたる地震や台風といった自然災害に対処した経験があることから、世界全体で毎年2億人が被害を受ける自然災害の問題を重視しています。私たちは、各国における災害対応の推進のための国連災害調査調整(UNDAC)チームへの、途上国、特にアジア・アフリカ地域からの参加拡大のための努力を支持します。この関連で、日本政府としてもUNDACへの参加に向け積極的に検討しているほか、今年度中にOCHAと協力してUNDACに参加する専門家の訓練を、数年前巨大地震に見舞われた神戸で実施する予定です。

日本政府は、国際捜索救助作業部会(INSARAG)における捜索救助に関するガイドラインを重視し現在行われているその見直し作業を歓迎します。また、捜索救助に関する次期総会での議論に活発に参加していく所存です。

自然災害の危険及びその影響を軽減するため、地域・国レベルの計画策定の際に自然災害危険調査を防災戦略に組み込んでいくべしとの事務総長の考え方に私たちは同意します。

第二に、議長、紛争下の文民の保護は、国際社会が取り組むべき最も重要な課題の一つであり、私たちは「保護の文化」推進の考え方に賛同します。このため私たちは本件についての地域ワークショップ開催に向けOCHAに対し協力を行っています。

日本政府は、全世界で5000万人を越える国内避難民(IDP)の状況に引き続き関心を寄せています。日本政府は、現在IDPユニットに財政支援を行っているほか、IDP問題事務総長代表への支援等の措置についても積極的に検討しています。

また、人道支援関係者が関わった性的搾取の疑いの問題に我々は重大な関心を寄せています。日本政府としては被害者の方々ができる限り早く必要な支援を受けることを希望するとともに、本件に関する人道機関間常任委員会(IASC)の作業を注視していく所存です。

第三に、議長、国際社会は、救援から開発への切れ目のない移行のためあらゆる努力を行うべきです。この関連で、日本政府は、アフガン内外の人道支援のニーズをまとめたドナー警報の発出の数ヶ月後に、アフガニスタン人のための緊急・移行支援計画(ITAP)が人道問題執行委員会(ECHA)及び国連開発グループ(UNDG)により作成されたことを高く評価します。また、我々は、移行を円滑に進めるための努力を推進するに当たり国際金融機関のより活発な参加が追求されるべしと信じます。

日本政府としては、「忘れられた危機」への対応を始め、人道活動のための資金を確保するべく最大限の努力を継続する所存です。一方で、より絞られた優先事項と現実的な資金調達水準に裏打ちされた現実的な戦略がこうしたドナーへのアピールの成功に不可欠です。

我々は、また、統一アピール過程(CAP)の強化に関しては、まずは共通人道行動計画(CAHP)作成に当たりNGOの更なる参加を求めるとともに、資金追跡システムの開発により人道危機にかかる資金全体の流れの把握を図ることが重要と考えます。

議長、

人道支援活動を支えるのは国際社会において共有された責任感です。これはこの人道セグメントにおいて全会一致で成果文書を採択することにより示すことができます。現地で弱い立場に置かれている人々、極めて厳しい条件の下勤務している人道要員のために行動がとられるべきです。議長、このための議長及びまとめ役の努力への日本政府の強い支持を表明して結びとさせて頂きます。

有り難うございました。