2011年

第66回国連総会(議題121「総会の再活性化」)
兒玉大使ステートメントの骨子

 

 

1 冒頭


・第65回総会の総会再活性化作業部会共同議長の努力及び成果を多とし、第66回総会における同作業部会共同議長の任命を歓迎する。

 

2 総会と他の主要機関との関係


・総会と安保理、経社理といった国連の主要機関との関係強化、その他の主要機関との相互調整が総会の再活性化の成果として強く期待される。
・安保理の総会への年次報告提出と総会議長と安保理議長の定期協議は意義深い。
・同年次報告は総会と安保理が行う協力の主要なツールの一つである。
・本年は、第66回総会議長と安保理議長の対話を通じて、安保理年次報告についての総会全体会合が、安保理改革の議題と切り離された形で行われた。
・我が国は、このような安保理非加盟国との意見交換を強化するための努力を歓迎する。このような取組は、総会決議A/RES/65/315を踏まえて近年恒常的に行われるようになってきており、本年の報告書起草の段階でも、安保理の作業方法に関する議長ノート507が参考にされた。

 

3 事務総長の任命


・事務総長の任命における安保理と総会の役割と責任は、国連憲章に明確に規定されている。
・我が国は、潘基文事務総長の2期目の任命が安保理と総会において円滑に行われたことを高く評価する。
・我が国は、この問題を話し合う際、既存の総会決議を踏まえて、透明性が確保された形で行われることが重要であると考える。既存の総会決議A/RES/51/241は、総会議長が、安保理の権限を阻害しない形で、事務総長になり得る複数の候補者について加盟国と協議する可能性について言及しており、総会決議A/RES/60/286は、事務総長になり得る複数の候補者が総会において正式な形で自己紹介を行う選択肢について言及している。
・総会の再活性化を推進する上で、このような決議がどのような形で実施されてきているのかを検証すれば、より有意義が議論につながると考える。

 

3 総会議長室の強化


・総会議長室の知識・経験の引継ぎ能力を強化することも必要であろう。
・この点における歴代の総会議長の取組を歓迎する。最近では、スイス代表部がダイス65回総会議長と協力して発行した「総会議長ハンドブック」の例が看取される。
・このような重要な案件を取り扱うに当たり、我が国は2012-2013年二ヶ年計画予算案の枠内で効率的かつ費用効果的な目的を達成するような議論に積極的に参画する用意がある。

 

4 総会の対外イメージ


・総会の対外的な認知度を向上するための戦略について、我が国は、総会が一般の人々から見てその価値を計られる上で最も重要な点は、総会がグローバルな課題により効果的に取り組んでいくことであると考える。
・その意味で、総会は、一般の人々が有している関心事項に適切に応えているという正確な情報を報道機関に提供することが重要である。
・安保理議長は頻繁に記者会見を行っているので、総会議長や総会主要委員会の議長、行事や決議の取りまとめ役等が、より頻繁に記者会見を行って、総会の活動と成果を広報する努力を行うべきであろう。

 

5 結語


我が国は、総会の再活性化作業部部会で建設的かつ結果重視の議論が行われることを期待し、この案件に積極的に貢献する決意を再表明する。(了)