2004年

 
 

東ティモール情勢に係る安保理公開会合における原口大使演説(仮訳)

2004年11月15日

議長、

今回の会合の開催に感謝いたします。また、長谷川UNMISET事務総長特別代表からの包括的な説明にも感謝いたします。

議長、

我が国はUNMISETのマンデートを6ヶ月間延長するとの事務総長の勧告を支持することを明確にしたいと思います。この最後のマンデート期間は、東ティモールにおいてPKOが成功裡に任務を完遂するためにとりわけ重要であります。我が国は、この期間において東ティモールにおいて平和が確実に定着し、UNMISETが目的を達成して撤収できるよう引き続き協力していく所存であります。この最後の期間において我が国は安保理非常任理事国としての責任を負うことから、我々にとって特別の責任があるものと考えます。

東ティモールが国造りの面において引き続き支援を必要とすることは明らかです。このため、UNMISETの終了をにらんで、これまでPKOが行ってきた国造り支援に関し、開発援助に関わる国際機関やバイの援助活動が引き継いでいくことが必要です。これに関し、UNMISETが8つの作業部会を設置して平和維持及び平和構築からより伝統的な国造り及び持続可能な発展への円滑な移行を進めるべく鋭意努力していることを評価します。また、東ティモールの指導層が退役軍人問題などの解決のために適切に取り組んでいることは、東ティモールのオーナシップの高まりとして評価されるべきと考えます。確かに制度構築の分野では残された課題は少なくないと思われますが、東ティモール国民のたゆまぬ努力と国連、国際社会の支援により、問題の解決に向けて今後さらに前進が見られることを確信しております。また、PKO後の国造り支援について議論することとなる支援国会議が明年3月に開催されることを歓迎します。

議長、

東ティモールにおけるPKOの終了にあたっては、東ティモールの安全が確保されることがとりわけ重要であります。これに関し、東ティモールとインドネシアとの間における国境確定作業が未だ終結していないことは残念に思います。我が国としては、本件に関し、両国が引き続き最善の努力を行うことを期待いたします。

なお、我が国は、重大犯罪の問題の取り扱いは、今後の東ティモールの安定と発展に深い関わりを持つ問題と認識します。東ティモールの将来にとって、如何なる対応が最善かについて、当事国のみならず、他の関係国とともに考えていきたいと思います。

議長、

我が国は、東ティモールの自立のため積極的な貢献を行ってきており、今後ともかかる努力を継続していく所存です。我が国は、平和構築及び復興支援に焦点をあて、独立後三年間で六千万ドルを上限とする支援表明を行いましたが、既にディリ周辺の道路・電力・水道等のインフラ整備を中心に約五千七百万ドルを投入するなど、これを着実に履行してきています。また、自衛隊施設部隊のOBや文民の専門家など、我が国の所謂民政パワーが技術移転にも努めています。このような支援は、東ティモールの国造りの基礎である人々の生活環境の向上の観点から極めて効果的であると考えています。我が国が従来から支援してきたUNDPの「東ティモールにおける元兵士及びコミュニティのための復興・雇用・安定プログラム」(RESPECT)は、今後の国造りの観点から極めて重視されるべきであり、また、同様のプロジェクトに対する加盟国の支援を要請したいと思います。

議長、

最後に、東ティモールにとって、この6ヶ月は非常に重要な時期であることをあらためて強調したいと思います。長谷川特別代表をはじめとするUNMISETの精鋭と賢明な指導層の下で国造りに参加する東ティモール国民の努力により、東ティモールにおける安定と発展の基礎が確実に強化され、国連PKOがその使命を成功裏に果たすことを確信しております。

   
anner"> 法令外国語訳 外交政策Q&A  
(c) Permanent Mission of Japan to the United Nations
866 United Nations Plaza, New York, NY 10017
Tel: 212-223-4300

2004年

 
 

東ティモール情勢に係る安保理公開会合における原口大使演説(仮訳)

2004年11月15日

議長、

今回の会合の開催に感謝いたします。また、長谷川UNMISET事務総長特別代表からの包括的な説明にも感謝いたします。

議長、

我が国はUNMISETのマンデートを6ヶ月間延長するとの事務総長の勧告を支持することを明確にしたいと思います。この最後のマンデート期間は、東ティモールにおいてPKOが成功裡に任務を完遂するためにとりわけ重要であります。我が国は、この期間において東ティモールにおいて平和が確実に定着し、UNMISETが目的を達成して撤収できるよう引き続き協力していく所存であります。この最後の期間において我が国は安保理非常任理事国としての責任を負うことから、我々にとって特別の責任があるものと考えます。

東ティモールが国造りの面において引き続き支援を必要とすることは明らかです。このため、UNMISETの終了をにらんで、これまでPKOが行ってきた国造り支援に関し、開発援助に関わる国際機関やバイの援助活動が引き継いでいくことが必要です。これに関し、UNMISETが8つの作業部会を設置して平和維持及び平和構築からより伝統的な国造り及び持続可能な発展への円滑な移行を進めるべく鋭意努力していることを評価します。また、東ティモールの指導層が退役軍人問題などの解決のために適切に取り組んでいることは、東ティモールのオーナシップの高まりとして評価されるべきと考えます。確かに制度構築の分野では残された課題は少なくないと思われますが、東ティモール国民のたゆまぬ努力と国連、国際社会の支援により、問題の解決に向けて今後さらに前進が見られることを確信しております。また、PKO後の国造り支援について議論することとなる支援国会議が明年3月に開催されることを歓迎します。

議長、

東ティモールにおけるPKOの終了にあたっては、東ティモールの安全が確保されることがとりわけ重要であります。これに関し、東ティモールとインドネシアとの間における国境確定作業が未だ終結していないことは残念に思います。我が国としては、本件に関し、両国が引き続き最善の努力を行うことを期待いたします。

なお、我が国は、重大犯罪の問題の取り扱いは、今後の東ティモールの安定と発展に深い関わりを持つ問題と認識します。東ティモールの将来にとって、如何なる対応が最善かについて、当事国のみならず、他の関係国とともに考えていきたいと思います。

議長、

我が国は、東ティモールの自立のため積極的な貢献を行ってきており、今後ともかかる努力を継続していく所存です。我が国は、平和構築及び復興支援に焦点をあて、独立後三年間で六千万ドルを上限とする支援表明を行いましたが、既にディリ周辺の道路・電力・水道等のインフラ整備を中心に約五千七百万ドルを投入するなど、これを着実に履行してきています。また、自衛隊施設部隊のOBや文民の専門家など、我が国の所謂民政パワーが技術移転にも努めています。このような支援は、東ティモールの国造りの基礎である人々の生活環境の向上の観点から極めて効果的であると考えています。我が国が従来から支援してきたUNDPの「東ティモールにおける元兵士及びコミュニティのための復興・雇用・安定プログラム」(RESPECT)は、今後の国造りの観点から極めて重視されるべきであり、また、同様のプロジェクトに対する加盟国の支援を要請したいと思います。

議長、

最後に、東ティモールにとって、この6ヶ月は非常に重要な時期であることをあらためて強調したいと思います。長谷川特別代表をはじめとするUNMISETの精鋭と賢明な指導層の下で国造りに参加する東ティモール国民の努力により、東ティモールにおける安定と発展の基礎が確実に強化され、国連PKOがその使命を成功裏に果たすことを確信しております。