西部アフリカ安保理ミッションの勧告に関する安保理公開会合における原口国連大使演説(仮訳)
2004年1月23日
議長、
我が国は、シエラレオネ、リベリア、コートジボワール、及びギニアビサオにおける紛争の解決に向けた最近の肯定的な動きを歓迎します。これらの動きは国際社会及びこれらの諸国の関係当事者の努力によるところが大きいです。また、西部アフリカにおいては、ある国の紛争はしばしば他の国の紛争の影響を受け、またはその逆もあることも指摘したいと思います。この状況のため、同地域の諸国が、いわば共通の地域的オーナーシップの感覚を持って、一体となって紛争を解決しようとすることが非常に重要です。この関連で、我が国はECOWASにより成された貢献を高く評価するとともに、国際社会は、このような地域的イニシアチブを奨励し、ECOWASが平和活動を行う能力を拡大するために同機構を支援するべきと考えます。我が国は二〇〇三年六月、アクラにおけるECOWAS円卓会議に支援を提供しましたが、引き続きECOWASによる努力を支援していく考えです。
同時に、シエラレオネのUNAMSIL及びリベリアのUNMILに現在ほぼ2万人の部隊が派遣されており、またギニアビサオでは国連事務所が活動していると承知しています。さらに事務総長はコートジボワールにおける平和維持活動の設立を勧告する報告書を発表したところです。国際社会がこれらの紛争を解決するための努力を支援すべきことは言うまでもありません。しかし率直に言って、これらの目的のために国連が投入できる資源には限界があることを認識することが必要です。それを述べた上で、これらの目的のための国連の資源は、安保理メンバー国からのみならず、安保理非メンバー国からももたらされることから、我々加盟国は、いかにして活動に対して資金を賄うことができるかを常に考慮しなければなりません。我が国は、安保理の議論に実質的に参加することなく、安保理により設立されるあらゆる平和維持活動の予算のほぼ二〇パーセントを自動的に負担することを求められています。それゆえ、我々は自ずと各平和維持活動の財政的要求の大きさに重大な関心を持っており、安保理に対し、いかにして最も効果的かつ効率的な方法で平和と安全の維持という目的を達成するかについて真剣に議論することを要請したいと思います。我々はまた、安保理があらゆる平和維持活動の設立を決定する際に、明確な出口戦略について議論することがいかに重要であるかについて強調したいと思います。
議長、
コートジボワール情勢は重大な局面にあり、安保理が二〇〇三年一月のリナ・マルクーシ合意の実施のためにこれまで培ってきたモメンタムを維持するための努力を行うことが重要です。私は、二〇〇四年一月六日付けの事務総長報告書の勧告を受け、安保理メンバーが現在コートジボワールにおける平和維持活動を設立する可能性について議論していると理解しています。我が国は、この平和維持活動が設立されるためには、報告書において言及された具体的な条件が満たされることが重要であると考えます。さらに、我々は、安保理が決定を行う前に、国連事務局は、なぜ提案された部隊数が平和維持活動のマンデートの遂行上適当と考えているかについて、国連事務局は安保理の非メンバー国に対しても説明を行うべきとの見解を持っています。今後提案されるであろう文民警察の要員数についても同様の要請を行いたいと思います。
リベリアに関し、我が国は二〇〇四年二月の国際リベリア復興会議を準備するために行われている努力を歓迎します。我が国はまた、武装解除及び動員解除の開始やリベリア国民移行政府の形成のための努力を含め、和平プロセスが進展していることについても歓迎します。我々は、リベリアが紛争後の地域において人間の安全保障をいかに回復するかについての、西部アフリカにおける好例になることを期待します。一方で我が国は、昨年一二月に武装解除プログラムの実施プロセスにおいて発生した暴動事件について懸念しています。このような事件の再発を防止するためには、強化された広報活動を通じて、武装解除される兵士がプログラムの内容及び手続について理解することが重要です。
前述の通り、我が国は、あらゆる平和維持活動はその設立に際し明らかな出口戦略を持つべきであると考えます。この関係で、シエラレオネのUNAMSILが、関連の事務総長報告書で想定されているように、二〇〇四年末までに完了することが重要です。それゆえ我が国は、UNAMSILの撤退に関する評価ミッションの調査結果に基づいて事務総長が二〇〇四年三月末までに提出予定の勧告に大きな関心を持っています。シエラレオネの軍及び警察の強化のための努力や、ダイヤモンド採掘活動が行われている地域においてシエラレオネ政府の有効な行政管理を確立するための努力が行われています。我が国はこれらの努力はシエラレオネにおける平和の定着を達成する助けになると考えます。国際社会及びシエラレオネ政府は、UNAMSILがマンデートを完了することができる条件を整えるため、このような努力を一層促進する必要があります。
議長、
冒頭述べた通り、西部アフリカの紛争はしばしば地域的側面を持っています。したがって、地域的な観点から国境管理、傭兵、小型武器及び難民などの問題を扱うことが非常に重要です。我々は西部アフリカにおける国境を越える問題に関する事務総長の勧告が早期に提出されることを期待します。私は、それが安保理や西アフリカの関係諸国及び地域機関がこれらの問題をより有効に解決するために大変有益であると確信しています。
議長、ありがとうございました。
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