安保理公開討論におけるテロ行為に関する国際の平和と安全に対する脅威に関する原口大使演説(仮訳)
平成14年10月4日
議長、
本日の安保理公開会合を開催いただきありがとうございます。簡潔に発言したいと思います。
議長、
我々は、米国におけるテロ攻撃の一周年に当たり、この野蛮な事件がもたらした巨大な恐怖と深い悲しみを鮮明に思い起こし、犠牲者及びそのご家族の方々に対し満腔の同情を禁じ得ません。同時に、人々は、テロリストが何時如何なる時に如何なる場所においても攻撃をなし得ることを知り、自分たち自身が脆弱であることを認識するに至りました。
議長、
テロとの闘いにおいて多くの前進がありましたが、闘いは続けていかなければなりません。国際テロリズム行為が繰り返されないようにすることは、常に警戒し、それぞれの国による努力と地域的及び国際的なレベルにおける確固たる協力とを併せた包括的なアプローチのみを通じて確保することができるのです。
第一に、日本は、テロと戦うための日本自身の努力の一つとして、去る6月、テロ資金供与防止条約の受諾書を寄託し、これにより、12の国際テロ防止関連条約すべての締約国となりました。日本は、すべての国が同様にこれらの条約を締結することを希望します。同時に、国際テロ包括条約、核テロ防止条約等の採択により国際的な枠組みを更に強化することも重要であると信じており、我々はそのため引き続き努力して行きます。
第二に、地域における協力に言及したいと思います。日本は、今月1日及び2日、東京においてテロ対策に関する第2回ASEAN地域フォーラム(ARF)ワークショップを韓国及びシンガポールと共催しました。同ワークショップにおいては、特に、ARFがバンコクにおける第1回ワークショップにおいてとりまとめたテロ対策に関する勧告を受け、より具体的な国際協力のあり方について非常に有意義な議論がなされ、その成果として大規模行事テロ対策に関するベストプラクティスペーパーをまとめることができました。同ワークショップは、テロとの闘いのための努力を強化する貴重な機会を提供するものでした。
第三に、国際的なレベルにおいてテロと戦うため協力して取り組むことは特に重要です。このため、日本はテロ対策委員会(CTC)の作業を引き続き全面的に支持していくことを約束します。特に、私は、CTCが安保理決議1373のグローバルな実施の促進において果たす重要な役割について指摘したいと思います。日本が繰り返し強調してきたように、同決議を実施するに当たり困難に直面している開発途上国に対しては国際的な支援が提供されなければなりません。CTCの支援ディレクトリーはこのような支援の調整のための重要なメカニズムです。日本としても、卓越したCTC専門家であるカーティス・A・ウォード大使から提供された情報を参考にしながら、これらの諸国に対し支援を提供することを検討しているところです。
議長、
演説を終えるに当たり、CTC議長であるジェレミー・グリーンストック大使及びビューローのメンバーに対し、これまで、非常に透明性のある形ですばらしい作業をされてきたことにつき深甚なる謝意を表明したいと思います。特に、安保理決議1267に基づき設置された委員会の議長であるアルフォンソ・ヴァルディヴィエソ大使及びそのスタッフの作業にも言及したいと思います。彼らの献身及び卓越した貢献がなければ安保理が任務をこれほど成功裏に達成することはできなかったでしょう。この機会に彼らにも謝意を表明したいと思います。
ありがとうございました。
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