総理メッセージ
この度、”Inamori Art Project Performance –Messages for World Peace from Hiroshima and Nagasaki-“ が、ここニューヨークにおいて開催されるに当たり、主催者、支援者及び参加者の方々に対し、心からお祝い申し上げます。
この2日間の公演を通じて、広島・長崎の核兵器の惨禍という人類史上の悲劇に基づく世界平和を希求するメッセージが発信され、聴衆の方々と共有されることは大変意義深いことです。ニューヨークを本拠とする国連は、世界の平和と繁栄の実現のために,各国がよりどころとする唯一の普遍的かつ包括的な国際機関として重要な役割を担っています。
唯一の戦争被爆国として核兵器の惨禍を体験した我が国としても、核兵器のない世界を目指して、国際社会と連携しつつ、世界の平和と繁栄に向けた国連の活動に主体的に貢献していきます。
世界の平和と繁栄は、国家の尽力のみによって達成されるものではありません。今日の公演の関係者の皆様を始めとする市民社会の役割も同様に重要です。国家、市民社会といったすべての関係者が力を合わせて世界の平和と繁栄の実現という共通の目標に向かっていくことが重要です。
日本は、核の惨禍という記憶を将来に伝承していく崇高な責任を担っていますが、同時に、紛争、災害、貧困等、様々な現在の災禍に苦しむ人々一人一人にも思いを致すことを怠りません。こうした人々が、一刻も早く苦しみから解放され、平和な日々がもたらされるように、我々は心を一つにしなければなりません。今回の公演が、世界の人々が心を一つに合わせるための機会となることを期待します。
最後に、今回の公演のために尽力された関係者の皆様に敬意を表するとともに、公演の御成功を心から祈念しつつ、御挨拶の言葉とさせていただきます。
内閣総理大臣
野田佳彦
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