2008年

 
 

気候変動セミナー:気候変動と「クールアース推進構想」

2008年3月21日

2008年3月17日、コロンビア大学において、当代表部とコロンビア大学アース・インスティトュートの共催により、気候変動セミナー(気候変動と「クールアース推進構想」)を開催したところ、各国代表部、国連機関、大学関係者、NGOなど約100名が出席し、建設的な議論が行われました。


セミナーは、ジェフリー・サックス・コロンビア大学教授(アース・インスティトュート所長)の挨拶で始まり、神余隆博大使がスピーカーとして、本年1月に福田総理がダボス会議で発表した「クールアース推進構想」についてプレゼンテーションを行いました。


次に、「緩和技術」に関するパネル・ディスカッションが行われ、サックス教授がモデレーターを務め、ヴィジェイ・モディ同大学教授がアフリカの電力問題、特に、地熱発電と太陽光発電について、アリッサ・パク・同大学ジュニア・プロフェッサーが炭素隔離貯留技術について専門的見地から説明を行いました。


その後、「適応と緩和政策」のテーマの下、デビッド・ダウニー・コロンビア大学気候変動に関するグローバル・ラウンドテーブル部長がモデレーターを務め、アンガス・フライデー・グレナダ大使、ロバート・オア国連政策立案担当事務次長補、高田実UNDP持続的エネルギープログラム・マネージャーの3名がパネリストとして参加しました。まず、フライデー大使が脆弱国の立場、歴史的背景など枠組み交渉におけるセンシティビティへの配慮の必要性、技術開発の重要性等について意見を述べました。次に、オア国連政策立案担当事務次長補がバリ行動計画の詳細な作業計画の速やかな策定の必要性、国連システム全体として気候変動問題へ取り組む意思等について見解を述べました。最後に、高田マネージャーより、適応のための革新的資金メカニズムの必要性、技術開発のための投資促進の重要性等について発言がありました。


ポスト京都フレームワーク、技術開発、資金メカニズムといった「クールアース推進構想」の重要な要素について、様々な見地からそれぞれの専門家が意見を述べることにより、「クールアース推進構想」の意義をいろいろな角度から評価することができました。このセミナーの議論は、今後の我が国の気候変動政策にも活用されることになると思われます。