2012年

 
 

ジャパン・ソサエティにおける西田大使講演

 

 

 

2012年5月16日

5月16日、ジャパン・ソサエティにおいて、西田大使は、「日本と国連」をテーマとした講演を行いました。本講演会には、各国国連代表部や国連事務局等の国連関係者、商社・銀行等の民間の関係者、有識者、報道関係者を含め、約100名が参加しました。

 

ジャパン・ソサエティの櫻井理事長及びジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長の挨拶の後、西田大使は、冒頭、国連における外交官生活についてユーモアを交えて紹介しました。


東日本大震災に関しては、西田大使は、震災の際し多くの方々からいただいた支援や励ましを通じて「絆」を再確認できたとして、改めて謝意を表明しました。


続けて、西田大使は、1956年の日本の国連加盟以降、日本として国連に深くコミットし続けていることを歴史的経緯も踏まえながら述べた上で、国際社会の直面している様々な課題に関する日本の取り組みについて説明しました。


特に、北朝鮮による日本人拉致問題については、拉致被害者の御家族の切なる思いにもかかわらず、依然として安否不明者が存在することを説明しました。また、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を安全保障上の脅威として位置づけた上で、4月13日の北朝鮮によるミサイル発射を受けた安全保障理事会の対応について説明し、北朝鮮は国際社会からのメッセージを受け止めるべきであると訴えました。


軍縮・不拡散の分野に関しては、小型武器や地雷といった通常兵器が人々の日常生活を脅かし、開発の障害となっているとして、悪循環を断ち切る必要性を強調しました。イランの核開発問題については、日本は福島原発の影響で厳しいエネルギー事情にあるにもかかわらず、イラン産原油の輸入を削減していることを紹介しつつ、外交を通じてこの問題が解決されるべきであることを述べました。アフガニスタンについては、テロリストの隠れ家に逆戻りするようなことがあってはならないとして、5月21日にシカゴにおけるNATOサミットでアフガニスタンに関する会議が開催されるのに引き続き、日本が今年7月に東京でアフガニスタンに関する会合を開催する予定であることを紹介しました。さらに、西田大使は、アラブの春、PKO、法の支配等にも触れ、参加者は熱心に耳を傾けていました。


大使のスピーチの後には、カルダー所長との対談と参加者との質疑応答が行われました。その中で、西田大使は、日本のPKOへの貢献等について応答しました。


講演会終了後には、レセプションが開催され、大使と参加者が和やかな雰囲気の下で懇親する機会となりました。

 

西田大使講演の動画はこちら

ジャパン・ソサエティ ウェブサイト


          講演を行う西田大使  


          カルダー氏と対談する西田大使 


             参加者との写真撮影